家計に無頓着な人にこそ進めたい! 家計簿アプリの魅力って?
ファイナンシャルフィールド / 2019年9月8日 3時0分
家計簿アプリの使用拡大が続いているようです。家計簿アプリは、スマホでの利用が前提であり、またキャッシュレス決済やポイント活用などとの相性が良い点も利用者増の背景と考えられます。 ここでは、家計簿アプリの使い勝手の比較をするのではなく、家計やお小遣い管理のツールとしての可能性を確認することにトライしてみましょう。
使われている家計簿アプリと機能
家計簿アプリ事業者は2018年に金融庁の登録制となりました。中でも人気なのが、「マネーフォワード」「Zaim」「マネーツリー」の3つです。ここでは各種の記事にも取り上げられ、ダウンロード数も多い、「マネーフォワード」と「Zaim」での使用経験をもとに、家計簿アプリの機能を見てみましょう。
中心となる機能
家計簿アプリの機能を大きくまとめると、「入力の簡単さ」「集計分析」「銀行・クレジットカード・電子マネーなどとの連携」の3つになります。
入力の簡単さ
家計簿において面倒と感じられるのは、書く手間と収支計算ですが、入力の問題を最近の家計簿アプリは2つの方法でクリアしています。「スマホの使用」と「レシート読み込み」です。
Zaimとマネーフォワードを1年半ほど使ってみましたが、レシート読み込みの簡単さは2つの間で優劣の差はありませんでした。実際の入力では2つの方法があります。
・都度手入力:基本は金額と支出カテゴリーの選択入力ですから、すき間時間でサッと済ませることができます。どちらかと言えばせっかちな人向けでしょうか。
・レシート読み込み:スマホのカメラでの読み込みですが、2日分、3日分、1週間分以上の入力も可能です。例えば2・3日後に入力しても、日付順に整理されますので便利です。
ただし、読み込み後にカテゴリー選択が必要ですから、手入力とそれ程の手間の差はありません。どちらにしても、手書きでノートや家計簿に記入するのと比べて、驚くほど簡単と言えます。
集計・分析
家計簿アプリの2番目に便利なポイントは、「集計と分析」の瞬時完了です。月別のカテゴリー(支出項目)別の予算を設定しておきますと、日々自動的に予算と実績の対比と予算残が週別・月別・年間ごとに表示されます。
また、パソコンにアカウントを登録しておけば、A4サイズなどで見ることも可能です。銀行やクレジットカードとの連携を含めた分析をすると、家計全体の分析をA4サイズで見ることができ、手作業では到底できないような家計データが簡単にできます。
銀行・クレジットカード・電子マネーとの連携
3番目の「銀行・クレジットカード・電子マネーとの連携」は、セキュリティー面が懸念されていました。
しかし、金融庁の家計簿アプリの事業者登録制もあり、セキュリティーは確保された上、金融機関側からも一連のフィンテック時代の流れへの対応もあり、家計簿アプリでの連携は当たりまえになっています。
家計簿アプリが家計改善や家計診断のツールになるには、この連携が不可欠であり、日常使用してみて、大変便利と言えます。
連携した銀行や電子マネーの残高が、スマホでタイムリーに見られる上、クレジットカードでの支払い予定・引き落としが確認できることは、思っていた以上に便利です。また、電子マネーのポイント残も表示されます。
セキュリティーについて
銀行やカード・電子マネーと連携する際に、口座アカウントやログインID・パスワードを家計簿アプリ事業者に開示します。この点を懸念する声がありましたが、これらは金融庁・金融機関・家計簿アプリ事業者の間での慎重な検証のもとに実現したものであるため、安心できるシステムと言えるでしょう。
また、金融機関からの出金については、金融機関の本来サイトにログインしない限り実行できないようになっています。さらに、金融機関からの出金は、ワンタイムパスワード方式、スマホ2段階認証などを用いて各行でリスク管理されています。
本体のセキュリティーロックについては、マネーフォワード・Zaimともに、セキュリティーパスコードが設定されています。
家計簿アプリの用途(家計管理・お小遣い管理)と効果
家計簿アプリは本格的な家計管理の家計簿ソフトとしても、また夫婦それぞれのお小遣い帳としても使えます。
アプリのダウンロードは無料版と有料版がありますが、当初無料版でも十分使用できますから、無料版で試してみてから、さらに便利な有料版に切り替える形でもいいのではないでしょうか。
また、マネーフォワードが金融庁のワーキンググループに提出した「PFMによる資産管理の高度化」(※)によれば、PFM(Personal Financial Management)を用いたことによって、「クレジットカードの使用頻度が増えた」、「資産形成について考えるようになった」、「節約を心掛けるようになった」、「固定費を見直した」等の効果があったとされています。
家計簿アプリはPFMの主要ツールであり、上のような効果はもちろん、「節約をこころがける」ことに、つながることが多いと思われます。
まとめ
金融リテラシーや家計管理の大切さが語られることが、多くなっています。家計簿アプリが、節約を心掛けるキッカケとなり、家計を一段広い視野で見ることによって、より豊かな生活ができる人が多くなることにつながれば良いのではないでしょうか。
出典
(※)株式会社マネーフォワード 「PFMによる資産管理の高度化」
執筆者:植田英三郎
ファイナンシャルプランナー CFP
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