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夫の“高すぎる宗教費”で老後破産の危機! 60代女性が熟年離婚を検討した結果、たどり着いた結論は…

Finasee / 2024年9月6日 11時0分

夫の“高すぎる宗教費”で老後破産の危機! 60代女性が熟年離婚を検討した結果、たどり着いた結論は…

Finasee(フィナシー)

<前編のあらすじ>

60代共働き夫婦の妻、明子さんは夫の宗教への支出が原因で離婚を考えています。

「宗教への信仰は自由なので、尊重したいです。だけど、最近は貯金がどんどんなくなっていき怖くなってきました。お金がなくならないうちに離婚したほうがいいんじゃないかと思い始めたんです」

離婚を現実的に考えるきっかけとなったのは、宗教法人のアドバイスで墓の購入と自宅のリフォームを行ったことでした。宗教法人に紹介された業者に依頼したところ、割高な費用を提示されて不信感を抱いたのだと言います。また、このままのペースで支出が続くと、老後生きていけないかもしれないという不安もありました。

そのため、離婚をして1人で暮らしてもお金の問題はないのか、まずはライフプランを作成して確認することになりました。

●前編:【「宗教への信仰は自由なので尊重したいです。だけど…」60代女性が信心深い夫との離婚を考えた「決定的な出来事」】

離婚をして1人になると老後は1000万円の赤字

離婚した場合のライフプランを作成すると、老後は1000万円ほどの赤字になることが分かりました。赤字の大きな原因の1つが家賃です。住み慣れた今のエリアに住むなら、一人暮らしでも7〜8万円はかかりそうです。公営住宅に住むことができれば良いのですが、その保証はありません。

明子さんは、自宅を売ってその売却益で生活できるだろうと考えていたようですが、夫婦2人で売却益を分けると手元に残るお金は1000万円弱と予想されます。一方、家賃7万円の生活が30年続くと、家賃だけで2500万円以上かかる計算です。自宅の売却益はもちろん、年金分割を考えても、今からこの赤字を消すのは容易なことではないでしょう。

離婚せず2人で暮らし続けた方が老後の赤字額は少ない!

そこで筆者は宗教への支出を考慮して離婚しない場合のライフプランも作成しました。すると老後に赤字になることに変わりはありませんが、赤字額が約300万円までに減ったのです。

理由は一人暮らしより2人で暮らす方がコスパが良いのはもちろん、自宅に住み続けられる上、ご主人の給料400万〜500万円が、あと5年は見込めるためです。明子さんもパート収入が年間200万円ほどありますが、やはり1人分の収入と2人分の収入では大きな差があります。

離婚しても生活できるかと相談に来た明子さんでしたが、この結果を見て「離婚しないほうがいいんですね!」と声を弾ませました。「お金が心配なだけで、できるなら一緒に暮らしたかったので離婚しないならそれに越したことはありません」と安心した様子でした。

離婚しない生活を成り立たせるために

本当は離婚したくないのに、一緒にいるとお金がなくなるから離婚するというのは解決策にはなりません。浪費が原因で夫を嫌いになったのなら別ですが、本当は一緒にいたいのに離婚を選択してしまうと幸せにはなれないでしょう。また、離婚したとしても離婚以外に選択肢があったのではないか。と、後悔することでしょう。考えるべきは、2人で生きていくために、どう家計運営するかということです。

そこで、筆者は2人で生活を続ける場合の赤字を削減する方法をアドバイスしました。長く働く、節約を心がけるのはもちろんですが、宗教費として予算を決めることを提案しました。

明子さんも生活が成り立つのであれば宗教への支出は大目に見ることができると言います。月3万円の会費は必須ですから、それ以外の支出上限を決めます。すると、生活が赤字にならない宗教への支出上限は200万円と分かりました。献金や雑誌、おすすめの品の購入など今後発生すると思われますが、200万円までなら購入可能というわけです。

明子さんはこの上限が分かったことで夫と建設的に話し合えそうだとうれしそうに言っていました。

「使ってはいけない」ではなく「使って良い」金額を考える

「これから教育費がかかるのに、夫は無駄遣いばかりして何も分かってない」「毎月赤字なのに、説明しても理解してくれない」という妻の主張をよく聞きます。はい、その通り、本当に理解できていないのでしょう。

したがって「教育費に○○円かかるから」と言ったところで支出の傾向は変わりません。変えたいのであれば、夫が何に支出しているのか、支出したいのかを妻が理解してあげる必要があります。その上で、教育費がいくらかかるなど将来必要になる金額と今から準備すべき具体的な金額を伝えてあげてください。

これからの将来、何を優先して支出するのかを夫婦で話し合うのです。相手の気持ちをくみ取りながら冷静に何度も話し合ってください。何を優先するのかは、夫婦によって違うでしょうし、夫と妻でも異なるかもしれません。しかし、そこはどこまでお互い譲り合えるかです。

譲れる金額を見いだすまで話し合う必要がありますから、大変な作業ですが、明子さんのようにお金がなくなるから離婚するという本来の解決方法ではない方向に進むことは避けられます。自分が進みたい人生を考え、その人生に収支を合わせることが後悔しない人生の選択となるでしょう。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。

前田 菜緒/ファイナンシャルプランナー

FP事務所AndAsset代表。ファイナンシャルプランナー(CFP、1級FP技能士)。大手保険代理店に7年間勤務後、独立。子育て世代向けにライフプラン相談、セミナー、執筆などを行っている。子連れでセミナーに行けなかった自身の経験から、子連れOK、子どもが寝てから開催するなど、未就学児ママに配慮した体制で相談やセミナーを実施。経済的理由で進学をあきらめる子をなくしたいとの想いを持ち、活動中。

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