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ネット証券「オルカン」「S&P500」の牙城揺るがず! 国内株の先行きにはSBIは強弱対立、楽天は?

Finasee / 2024年10月8日 7時0分

ネット証券「オルカン」「S&P500」の牙城揺るがず! 国内株の先行きにはSBIは強弱対立、楽天は?

Finasee(フィナシー)

ネット証券の投信売れ筋ランキングの2024年9月のトップ3は前月と同様に同率で第1位に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、そして、第3位に「SBI 日本株4.3ブル」と変化がなかった。前月に同率の第3位だった「iFreeNEXT FANG+インデックス」が第9位に大きく後退し、前月に第8位だった「楽天日本株4.3倍ブル」が第9位に落ちたため、その他の「楽天・S&P500インデックス・ファンド」、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」などが順位を繰り上げた。

 

ランキングは、投信の販売額で群を抜いているSBI証券と楽天証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、2社のランキング10位までのファンドの点数を集計し、点数の多い順に並べた。

◆人気後退した「iFreeNEXT FANG+」の銘柄入れ替えは吉と出るか?

これまで「S&P500」インデックスファンドと並ぶほどに人気のあった「iFreeNEXT FANG+インデックス」が、ついにトップ10のランキングでギリギリのところまで落ちてしまった。同ファンドは、米国のハイテク大手10銘柄に集中投資するファンドで、ちょうど昨年来の米国株式市場をけん引した「マグニフィセント・セブン(M7)」と同じような銘柄群に投資するファンドだ。米国株式市場でエヌビディアを旗頭とした「M7」銘柄群の割高感が意識されるようになり、また、FRBが利下げに踏み切るほど、先行きの景気への警戒感も出ていることで、「超グロース株」といえる「M7」銘柄群は調整の動きになっている。

現在の「iFreeNEXT FANG+インデックス」の組み入れ銘柄は、8月末時点でアップル、アマゾン、メタ、グーグル(アルファベット)、ネットフリックス、エヌビディア、テスラ、マイクロソフト、ブロードコム、スノーフレイク(下線がM7銘柄)だが、9月の定例入れ替えでテスラとスノーフレイクが除外され、クラウドストライクとサービスナウが新たに採用された。新規に採用されたクラウドストライクはサイバーセキュリティの大手企業であり、サービスナウはクラウドベースのソフトウェア企業として大手だ。除外された2銘柄は、総合順位を計算する際に用いる4つの指標(時価総額、1日平均売買高、PSR、売上高成長率)のうち、テスラは直近12カ月の売上高成長率が59位から89位に後退、スノーフレイクは時価総額が29位から38位に後退し、PSR(株価売上高倍率)が14位から32位に後退したことなどが除外になった理由と考えられる。

「iFreeNEXT FANG+インデックス」の基準価額は、今年7月11日に6万7148円でピークを付け、8月6日には4万9755円にまで急落。その後、やや戻したとはいえ、10月1日時点では5万6040円と、ピークからは16.5%下落した水準にある。「S&P500」が8月の下落後に9月下旬には史上最高値を更新し、「NASDAQ総合」も終値で史上最高値に2.46%マイナスにまで上昇したことと比較して未だに15%以上もピークからマイナスにある。今後、銘柄入れ替えの効果などもあって「S&P500」などの代表的な株式インデックス同様に過去最高値を更新できるのだろうか? 昨今のファンドへの人気離散は、高値回復まで時間がかかりそうだという見方が強いことを表しているのだろう。

◆国内株式の先行きには投資家の間で見方が分かれる

売れ筋ランキングで第3位につけている「SBI 日本株4.3ブル」は、国内株式市場の動きを4.3倍に増幅して動くレバレッジ型ファンドで、その人気が強いことは投資家が国内株式市場の先行きに強気の見方をしているように見えるが、一方で「楽天日本株4.3倍ブル」は前月から順位を落としているように、強気の見方一辺倒ではない。

実際に、SBI証券の売れ筋ランキングでは、第10位に「SBI 日本株3.8ベア2」がランクインしている。ベア型は株価が下落することによって利益が出るファンドなので、「SBI 日本株4.3ブル」とは真逆の相場観ということになる。相対的にブル型の方がランキング上位にあるため、株価の上昇を見込む投資家が多いということだが、下落することを見込む投資家も少なくないということだ。

国内株式市場は、自民党総裁選の影響を受けて大きく揺れ動いた。第2次安倍政権の「アベノミクス」がもたらした株高と同様の効果を高市早苗候補に期待した市場は、高市氏優位の下馬評を受けて、総裁選の結果が出るまでに日経平均株価を2000円近くも押し上げた。ところが、財政健全化に重きを置くとみられている石破茂氏が自民党の総裁に選ばれたことによって株価は高市氏を期待して上げた分を下げてしまった。まさしく、この間の株価のドタバタを9月のネット証券の売れ筋は良く捉えたものといえる。今後、国会論戦等を通じて明らかになる新政権の経済運営等がどうなるのか? また、10月27日に予定される総選挙の結果がどうなるのか? まだまだ、国内株式市場のボラティリティ(価格変動率)は大きな状態が続きそうだ。

執筆/ライター・記者 徳永 浩

Finasee編集部

「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。

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