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過去には2期で計4600億円もの赤字を計上……日本航空(JAL)の現在は?株式以外で投資するなら?

Finasee / 2024年12月24日 8時0分

過去には2期で計4600億円もの赤字を計上……日本航空(JAL)の現在は?株式以外で投資するなら?

Finasee(フィナシー)

日本航空(以下:JAL)の株価は2020年のコロナショックで急落しました。同年11月9日は上場来安値となる1556円をつけています。行動制限はJALに深刻との思惑から、株式市場では売り込まれることとなりました。事実、JALは2022年3月期までの2期で計4600億円もの最終赤字を計上しています。

なお、現在は回復が進んでいます。株価も同様で、上場来安値からの上昇率は61%に達します(2024年12月16日終値)。訪日外国人が過去最高を更新するなど、環境はコロナ禍から様変わりしました。

このような経緯から、JALへの投資を考えている人も増えているかもしれません。今回はJALに投資できる投資信託を紹介します。

純利益2.7倍の急回復 今期は6期ぶり1000億円台が射程圏

まずはJALの業績を押さえましょう。

冒頭のとおりJALは足元で回復が進んでいます。直近の2024年3月期は増収増益、特に純利益は前期比2.7倍の大幅な改善となりました。好調なフルサービスキャリアがけん引したほか、LCCも大きく伸長しました。

【JALの業績(2024年3月期)】

・売上収益:1兆6519億円(+20.1%)
・純利益:955億円(+177.5%)

【JALのセグメント売上収益(2024年3月期)】

・航空運送事業:1兆5149億円(+20.1%)
・その他:2363億円(+10.8%)

※()は前期比
※航空運送事業の内訳:国際線(フルサービスキャリア)7341億円(+18.3%)、国内線(フルサービスキャリア):5748億円(+21.0%)、LCC:673億円(+119.5%)
※その他は卸売業、旅行企画販売、手荷物宅配、システム開発・運用、クレジットカード事業など
出所:日本航空 決算短信

今期(2025年3月期)も増収増益の予想です。純利益は6期ぶりに1000億円台が視野に入ります。中間決算まで公表されており、純利益の進捗率は49.9%となっています。消化はおおむね順調といえそうです。

【JALの業績予想(2025年3月期)】

・売上収益:1兆9300億円(+16.8%)
・純利益:1000億円(+4.7%)

※()は前期比
※同第2四半期時点における同社の予想
出所:日本航空 決算短信

運輸・物流ETFで組み入れ多い 日経平均型やプライム150型も選択肢

次に、JALへ投資できる投資信託を紹介します。

JALへの投資割合が比較的大きい投資信託に「NEXT FUNDS運輸・物流(TOPIX-17)上場投信」があります。「陸運業」「海運業」「空運業」「倉庫・運輸関連業」に区分される株式へ投資する銘柄です。空運業の主要銘柄であるJALは組み入れの上位に入っています。

【NEXT FUNDS運輸・物流(TOPIX-17)上場投信の組入上位10銘柄】

・東日本旅客鉄道:11.8%
・東海旅客鉄道:8.7%
・日本郵船:7.3%
・商船三井:7.1%
・ANAホールディングス:5.7%
・西日本旅客鉄道:5.3%
・JAL(日本航空):4.2%
・阪急阪神ホールディングス:4.0%
・東急:3.6%
・川崎汽船:3.3%

※2024年11月末時点
出所:NEXT FUNDS 運輸・物流(TOPIX-17)上場投信 月次レポート

またJALは国内の主要な株式指数に採用されています。その指数を参照するインデックスファンドを購入すれば、資金の一部はJALへ向かうこととなります。

【JALを採用する主な株価指数】

※日経平均株価は2024年11月末、その他は2024年10月末時点の情報
※上記ファンドはいずれも配当込み指数を参照

リスク要因は燃料価格と増加した負債 投資は慎重に判断

最後にJALのリスクにも触れておきましょう。

空運業は比較的リスクの高い事業です。コロナショックは極端な事例でしたが、平時も燃油価格の影響を受けます。またコロナ禍で有利子負債を増やした経緯などから、財務費用も増加傾向にあります。

上記のような費用が悪化すれば、株主に残る利益は減少することとなります。コロナから回復が続くとはいえ、投資には慎重な判断が求められます。

投資信託を使った投資なら、JAL以外の銘柄にも資金が向かいます。分散投資の効果から、1銘柄への投資よりもリスクは下がるでしょう。ただし、いずれの投資信託も元本保証ではないこと、株式を直接買う場合と比べると投資割合が薄まってしまうことには注意したいところです。

若山 卓也/金融ライター/証券外務員1種

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。

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