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S&P500の次は、ナスダック100やFANG+…? 人気急上昇中の“投資対象を絞った”系米国株ファンドへの投資は“アリ”か?

Finasee / 2025年1月15日 11時0分

S&P500の次は、ナスダック100やFANG+…? 人気急上昇中の“投資対象を絞った”系米国株ファンドへの投資は“アリ”か?

Finasee(フィナシー)

前回の本連載では、「オールカントリー」以外の選択肢として、2024年の新NISA元年に投資家の関心も高かった、インド株式と高配当・連続増配株式について取り上げた※。筆者は、両カテゴリーともに2025年も引き続き投資妙味があるとの認識でいるが、今回はまた少し違った視点から2025年のNISA投資戦略を考えていきたい。

※2024年12月公開『【新NISA2年目へ】「オールカントリーやS&P500だけ」はもったいない―これらの“弱点”を補完する「2つの投資先」』ご参照

大人気の米国株―関心はS&P500からナスダック100やFANG+にも拡大

2024年は、日米ともに政治イベントが多く、金融政策の行方にも気をもんだ1年となった。日経平均株価が過去最高値を更新したことで日本株にも一定の注目は集まったが、振り返ってみると、主役はやはり米国株であったと言えるだろう。

実際に、投資家からの人気も米国株に集中していた。2024年のNISA対象ファンドの売れ筋上位を確認すると、純流入額の上位10銘柄のうち、「HSBC インド・インフラ株式オープン」を除く、実に9本が米国または米国を含むグローバル株式に投資するタイプであった。

※楽天証券経済研究所作成。データは全て2024年末時点。
※画像をクリックすると、拡大できます。

9位の「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は、ファンド名の通り、世界の半導体関連銘柄を主要投資対象としているが、エヌビディアを含む米国企業がポートフォリオ全体の約7割を占めており、実質的に米国株ファンドとみなしてよい。

特筆すべきは、7位に「iFreeNEXT FANG+インデックス」がランクインしたことだ。当ファンドは「グローバルな現代社会において人々の生活に大きな影響力を持ち、高い知名度を有する米国上場企業」を対象に構成された「NYSE FANG+指数」をベンチマークに掲げたインデックス型である。「FANG」とは、同指数の主要銘柄であるフェイスブック(メタ)、アマゾン・ドット・コム、ネットフリックス、グーグル(アルファベット)の頭文字をつないだもので、指数そのものは10銘柄の等金額投資(各銘柄10%程度)でポートフォリオが構成される。足元では、FANGの4銘柄に加えて、アップル、エヌビディア、マイクロソフト、ブロードコム、クラウドストライク、サービスナウの計10銘柄が組み入れられている。銘柄数を10まで厳選し、その構成銘柄も定期的に見直されることから、インデックス連動型ではあるが、限りなくアクティブに近い特性を持ったファンドと言える。

なお、上位10位までには入らなかったが、2024年は、ハイテク株が中心のナスダック100指数への連動を目指すインデックスファンドも人気を集めた。

旧つみたてNISAの時代には既にS&P500のインデックスファンドが積立の定番商品となっていたことを考えると、米国株投資に慣れてきた投資家の関心が、次第にナスダック100やFANG+に向くのは自然な流れと言えるかもしれない。

S&P500ではなくNASDAQ100、FANG+はアリか?

では、一定の投資経験と相応のリスク許容度があるということを前提とした場合、S&P500から前述のナスダック100やFANG+のように、投資対象を絞った米国株ファンドにシフトしても良いのだろうか。筆者は「長期目線の積立投資ならアリ」と答えている。

既に広く知られているように、S&P500指数に占める上位銘柄の集中度合いは年々高まっており、指数内の分散が効きにくくなっている。その意味では、銘柄数を絞り、投資対象の解像度を上げた方が、リスクの所在は分かりやすい。積立を実践し、時間分散でファンド全体の価格変動リスクをならせば良い。ちなみに、「iFreeNEXT FANG+インデックス」は、つみたて投資枠の対象になっている。

2025年の注目米国株ファンド

「FANG+」のヒットを受け、2024年には、既存の米国株式インデックスにひと工夫を加えた商品が続々と登場した。いずれも新NISAの適格商品で、成長投資枠で購入が可能だ。

※楽天証券経済研究所作成。データは全て2024年末時点。
※画像をクリックすると、拡大できます。

S&P500指数やナスダック100など、1つの指数に絞れないという人におすすめなのが、「米国株式これ1本(S&P500・NYダウ・ナスダック100)」だ。当ファンドは、「これ1本」というファンド名の通り、「S&P500指数」、「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」、「ナスダック100指数」への連動を目指すETFに投資し、毎月、市場環境に応じて各指数への投資配分を調整する。

FANG+のような、投資対象を絞った指数で、追加的な収益を追求したいという人には、「一歩先いく US テック・トップ20インデックス」と「Tracers S&P500トップ10インデックス(米国株式)」をおすすめしたい。「一歩先いく」は、米国を代表するテクノロジー関連企業20銘柄に投資を行う。「Tracers S&P500トップ10」は、S&P500指数の構成銘柄のうち、時価総額上位10社の株式で構成される。

先述した、S&P500指数の上位銘柄の集中度合いが気になるなら、「インベスコ S&P 500イコール・ウェイト・ファンド」を選択肢に入れても良いだろう。当ファンドは、S&P500指数の全銘柄に均等投資を行うことで、特定の銘柄だけが指数全体への影響を高めることを回避する点に特徴がある。

また、既にS&P500のインデックスファンドを保有、または積み立てているなら、「Tracers S&P1000インデックス(米国中小型株式)」を追加しても良い。当ファンドが連動を目指す「S&P1000指数」は、米国の中小型株式市場の動きを捉えた指数で、中型株式400銘柄と小型株式600銘柄を合わせた1000銘柄で構成されている。

以上の通り、一口に米国株と言っても、投資先の選択肢は増えている。本連載でも度々お伝えしている通り、S&P500や「オールカントリー」のように広域の市場を網羅したインデックスファンドは、万人に合う「白いTシャツ」のような商品である。投資経験やリスク許容度に合わせてポートフォリオを少しずつカスタマイズしていくのも、非課税枠と商品の選択肢が広がった新NISAならではの活用方法と言えよう。

篠田 尚子/楽天証券経済研究所 副所長 兼 ファンドアナリスト

慶應義塾大学卒業後、国内銀行を経て2006年ロイター・ジャパン入社。傘下の投資信託評価機関リッパーにて、投信業界の分析レポート執筆、評価分析などの業務に従事。2013年、楽天証券経済研究所入所。日本には数少ないファンドアナリストとして、評価分析業務の他、資産形成セミナーの講師も務めるなど投資教育にも積極的に取り組む。近著に『【2024年新制度対応版】NISA&iDeCo完全ガイド』『FP&投資信託のプロが教える新NISA完全ガイド』(ともにSBクリエイティブ)。

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