「年収の壁」主婦・主夫を抑え、最も意識している意外な職業とは。気になる就業調整への対策の実態が明らかに。
Finasee / 2025年1月15日 12時0分
Finasee(フィナシー)
「年収の壁」を気にしている割合は?
「たくさん収入を得たい」という気持ちは誰しもあるはずだが、特にアルバイトやパートタイマーにとって、「年収の壁」は避けて通れない悩みの一つだ。
もちろん「壁なんて気にしない」と割り切る人もいるだろう。しかし、税金や社会保険料の負担が増え、結果として手取り収入が減る可能性を考えると、切実な問題と言える。
ところで、一体どれぐらいの人が「年収の壁」を意識しているのだろうか。人材紹介サービスを展開するシェアフル株式会社が行ったアンケート調査を参考にすると、結果は次のとおりとなった。
出所:シェアフル株式会社「『年収の壁』に関する実態調査」全体の47%、ほぼ半数が「年収の壁を気にしている」ということが分かる。
さらに属性ごとの調査結果を見ると、興味深い点が浮び上がる。「意識している」と回答した割合が最も高かったのは「10代以下」で8割近く(76%)に上る。そして、「学生」(71%)や「主婦・主夫」(63%)も高い割合を示した。
「扶養範囲内で働きたい」あるいは「税金や社会保険料の負担を避けつつ収入を得たい」という意識があることがこの結果の背景にあるのかもしれない。
「100万・103万・130万」のうち、特に気になる壁は?「年収の壁」といえば、周知のとおり複数の段階が存在する。
まずは、住民税の支払いが発生する「100万円の壁」(自治体によって金額基準が異なる場合もあり)。次に、所得税の支払いが発生する「103万円の壁」、さらに国民健康保険や国民年金の保険料負担が発生する「130万円の壁」がある。
では、3つの中で最も注目されているのはどの壁なのだろうか。同アンケート結果によると、次のような傾向が明らかになった。
出所:シェアフル株式会社「『年収の壁』に関する実態調査」圧倒的に割合が高かったのは「103万円の壁」(23%)という結果に。一方で「100万円の壁」と「130万円の壁」は、同率の7%にとどまった。
次に、年代別のアンケート結果を見てみよう。
出所:シェアフル株式会社「『年収の壁』に関する実態調査」目を引くのは、やはり「10代」の数値。なんと56%が「103万円の壁を意識している」と回答し、全年代の中で最も高い数値となった。
10代の若者は、経済的に独立していない人が多く、税金や社会保険といった制度に無関心であるというイメージを持っている人も少なくないかもしれない。しかし実際には、半数以上が「103万円の壁」を強く意識している。学業と両立しながら、限られた時間の中で効率的に収入を得るためには、「壁」を超えず、扶養範囲内で働くことが合理的だと判断しているのだろう。
年収の壁を超えないためには、時として働く時間を調整する必要がある。実際にどれぐらいの人が就業調整をしているのだろうか。
同アンケートで2024年11月の実態を調査したところ、次の結果となった。
出所:シェアフル株式会社「『年収の壁』に関する実態調査」このように、56%が「調整した」と回答。10人いれば約6人が、壁を超えないために「仕事時間を減らした」もしくは「仕事をしなかった」ということになる。一方で、残りの44%は「調整していない」と回答しており、働き方の選択が二極化している様子が見て取れる。
最後に、属性ごとの結果も見てみよう。
出所:シェアフル株式会社「『年収の壁』に関する実態調査」「調整しなかった」と答えた人が最も多かったのは「アルバイト・パート」(50%)という結果に。一方で、「調整した」と回答した人が多かったのは「主婦・主夫」(62%)と「無職」(63%)で、どちらも60%を超えた※。
※年代/性別/エリア/職業は「シェアフル」登録時に選択されたものを参照しているため、現在の状況とは異なる可能性がある
人それぞれ価値観や家庭環境などが異なるため、働き方は十人十色だ。アンケート結果を参考にしつつ、将来の生活設計や資産形成の目標、ライフイベントへの備えなども見据えて、自分にとって最適な働き方を選択したいものだ。
Finasee編集部
「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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