試合中のハイトーンボイスが悩み？ パリ五輪世代MFが“声出し”にこだわる訳

■藤田譲瑠チマは「90分間声を出すこと」では誰にも負けない

　ベルギー1部シント＝トロイデンに所属するU-23日本代表MF藤田譲瑠チマが、スポーツチャンネル「DAZN」の番組「Atsuto Uchida‘s FOOTBALL TIME」に出演し、4月15日に開幕するU-23アジアカップに向けてコメントしている。

　8大会連続となるオリンピック出場権獲得に期待が懸かるU-23日本代表だが、そのメンバーに選出された藤田は、「アジアカップはパリに向けて大事な大会になりますけれど、まず自分たちはアジアの頂点を取るために全力でチームとして戦っていきたい」と、コメントをした。

　Jr.ユース時代からトップチームまでを東京ヴェルディで過ごし、徳島ヴォルティス、横浜F・マリノスとステップアップしていった藤田。2023年7月にはシント＝トロイデンへ完全移籍している。2022年には20歳でフル代表デビューを果たしており、U-23日本代表でも活躍が期待される。

　自身を一言で表すと「うるさい」と表現した藤田は、その理由を「小学生の時から授業中も落ち着きなかったですし、ずっと先生に怒られていました。うるさすぎて一番前の席にされることは多々ありました」と、学生時代のエピソードを明かした。「もう少し落ち着いた方がいいかなと自分でも思うんですが、ついつい出てしまうので仕方がないと思う部分もあります」と、語った。

　その一方で、藤田は得点が決まったあとにチームメイトたちと喜ぶと「恥ずかしくなる」のだという。「自分が決めたら喜べるのですが。代表の時もパッパッと（自陣に）帰ることのほうが多い。でも、田中聡が（ウクライナ戦で）決めた時は特別でした。あんなに喜びに行くことはそうそうない」と言い、喜んだ理由については「一番好きな選手なので」と仲の良さをうかがわせた。

　そんな藤田は、自身が誰にも負けないプレーについて「90分間声を出すこと」を挙げた。「自分のリズムを作るための大事なプレーの1つではあるので。自分が声を出している方が良いプレーができたり、いいリズムに持っていけると気づいてからは、そのためにやっています」と、その理由を分析していた。

■影響を受けた選手は元ブラジル代表FWロナウジーニョ氏

　ただ、この声について元日本代表DF内田篤人氏は「チマの声って、人間でもかなり高い音域なんですよ。ギリギリ耳で反応できるかどうかの高さなんです」と、周囲からすると聞き取りにくいことを挙げていた。これに対して藤田は、「仕方ないんですよね。自分でも、なんであの声の出し方なのか分からない。カラオケでもあの声を出せるわけではないので、なんでなのかなって自分でも不思議。サッカーになるとどうしてもあの声になる」と、頭を抱えながら試合中に発する声がハイトーンになることを認めていた。

　チャンスメーカーである藤田が、影響を受けた選手として挙げたのが、スペイン1部FCバルセロナなどで活躍した元ブラジル代表FWロナウジーニョ氏だった。「自分が初めてスーパープレー集を見た選手がロナウジーニョで、すごくサッカーを楽しんでいる姿が見受けられた。そこから自分ももっといろんなことにチャレンジしようと思えたし、そこからどんどんいろんなものを吸収して自分というサッカー選手が作り上げられていた。一番最初の大事な選手」と、説明した。

　守備的MFとしてプレーする藤田だが、自分の得意なプレーについては「相手のカウンターを摘むところ、セカンドボールを拾うところは得意なプレー」と言い、「自分が一番好きなプレーは自分よりも体格がデカい相手だったり、強そうな相手に身体をぶつけて吹っ飛ばした時が一番気持ちいいです。相手のタイミングに合わせたら負けてしまうので、少し早く当てたり、相手が準備していない時に当てる、そのタイミングは考えながらやっています」と、守備面でのこだわりなどを口にした。

　U-23アジアカップ優勝を目標に掲げた藤田は、そのためのポイントに「チーム力」を挙げた。「中2日で試合が続いていき、6試合ある。全試合同じメンバーでは戦えないですし、結果が必要。誰が出ても同じサッカーをすることが、すごく大事になる。パリ五輪出場のための大会ですが、自分たちはアジアで1位にならないといけない。そのためにしっかり結果を残したい」と、8大会連続の五輪出場切符を過程にして、アジアカップ優勝への意気込みを語った。（FOOTBALL ZONE編集部）