浦和DF宇賀神「今はみんな迷いながらやっている」 ヘグモ監督イズム体現に必要な臨機応変さ
FOOTBALL ZONE / 2024年4月16日 8時30分
■献身的な守備を見せる前田に宇賀神が助言「常に100%鼻息荒くやらなくていい」
浦和レッズは4月15日に公開トレーニングを実施。12日のJ1リーグ第8節柏レイソル戦で0-1の敗戦を喫したあとのトレーニングになったが、ベテランDF宇賀神友弥はMF岩尾憲の欠場がチームに与えた影響を話した。
浦和は柏の堅実なブロックに苦戦し、なかなか有効な前進ができなかった。相手の背後へのロングボール狙いもなかなかハマらず、ビルドアップ時にはMFサミュエル・グスタフソンが流動的にポジションを移した時に連動できない部分もあり、柏に脅威を与えられるような攻撃をあまり仕掛けられなかった。
ボールを引き出すため、あるいは相手を引き付けて味方をフリーにする狙いを持った動きも散発的になった感があったが、浦和で多くのタイトルを勝ち獲ってきた時期を知る宇賀神は「強いチームはピッチに立った11人がそれをできて、途中から入った選手も考えないでできるもの。今は少しそこがバラバラなのかなと。みんな迷いながらやっているし、1人1人がどうすれば勝てるか、どうすれば良くなるかと考えながらやっていることが噛み合っていないと思うので、そこをすり合わせれば。個の能力は間違いないので強いチームになれると思う」と話す。
宇賀神は右ウイングで出場することの多いFW前田直輝の献身的な守備を例に挙げたが、一方で「そんなに常に100%鼻息荒くやらなくていいと感じることもあるし、出力を出すところとのメリハリのところなんかではもったいない。彼はドリブルがスペシャルで、でも守備も求められるとなった時に、実際にはピッチで結果的に守れたらいいし、チームのスイッチになれたらOKなので」と語る。
そうした面で「それをもっとチームとして上手く回せるというか、出ていた選手を否定するわけではないけど、岩尾選手が怪我をしてしまったのは非常に痛かった。彼のようなすべてにおいて賢くプレーできる選手がいなかったのは1つのポイントだったと思う」と、3試合連続スタメンだったところから柏戦を負傷欠場した岩尾の存在と影響を指摘した。
■伊藤敦樹と小泉佳穂はポジショニングに関して時に悩みを口に
ペア・マティアス・ヘグモ監督が就任した今季、選手たちからは監督の戦術を理解することへの意欲を感じさせるコメントが多く聞かれている。一方で、試合中にもそのことを考えすぎているような感はあり、宇賀神も「ゲームになるとダイナミックにどれだけできるかだと思うけど、そのバランスは難しい。監督の求めることプラス、自分たちでピッチで感じてやらないといけないものを実行するのは難しいところもあるけど、監督も少しずつ臨機応変にやっていいと言っているのでトライ&エラーなのかなと」とした。
インサイドハーフでの出場が多いMF伊藤敦樹とMF小泉佳穂も、ポジショニングについて悩むような言葉を少なからず残してきた。その監督の要求する部分と臨機応変さ、伊藤や小泉のマジメさとも言える部分について、これまでの経験からも宇賀神は「外国人監督が日本人選手とフィットするために必要なのがそこなのかなと。外国人監督は、そんなに100点満点を求めにいかないから。そこは佳穂も敦樹も殻を破るために必要かもしれない。そういう部分を手助けできたらいいと思う」と話した。
8試合を終えて3勝2分3敗と勝ち点が伸び悩んでいる浦和だが、監督の求める戦術と個性と臨機応変さが噛み合ってくるか。その意味でも、ピッチ上でそのバランス感覚を発揮できるベテランの存在が大きいと言えるのかもしれない。(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)
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