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ドイツの日本人選手最高額…市場価値42億円で評価上昇中の日本代表DF 「目がいい」と絶賛される訳【現地発コラム】

FOOTBALL ZONE / 2024年5月10日 17時20分

■魅力的なサッカーを見せるシュツットガルトが躍進、伊藤洋輝はレギュラーとして活躍

 今季のブンデスリーガは無敗記録を更新中のレバークーゼンがすべての注目を集めているが、同じくらい魅力的なサッカーを披露しているのがシュツットガルトだ。

「UEFAチャンピオンズリーグ(CL)に出ちゃったら、政治家が急にスタジアムに来出すぜ」

 リーグが折り返した頃のホームゲームの取材だっただろうか。メディア控室で試合前の準備をしていたら、そんな声が聞こえてきた。地元記者がクラブスタッフと談笑している。シーズン序盤から好調だったとはいえ、あの頃はまだCL出場は「ひょっとしたら」の範疇だった。だが、今や誰もシュツットガルトのクオリティーを疑う者などいない。

 すでに来季のCL出場権を獲得し、第32節では2位バイエルン・ミュンヘンをホームに迎えた一戦を3-1で快勝。その勝ち点差を2と縮めた。

 そんなシュツットガルトで揺るぎないレギュラーとして活躍しているのが日本代表DF伊藤洋輝だ。

 クラブSDのファビアン・ボールゲムートは「ヒロキはとにかく目がいい。目がいいというのは状況を的確に見定められるということだ。そして競り合いでの対応も非常に成長している。加えて、ビルドアップからの精度の高いパスとシュートやクロスで存在感を発揮してくれている。ヒロキはチームに間違いのない安定感をもたらしているんだ」と、その活躍に目を細めていた。

 その言葉どおり伊藤の状況対応力には素晴らしいものがある。守備における対応がレベルアップ。フィジカルコンタクトで負けることがほとんどなく、クロス対応がかぶったり、シュート対応が遅れることが大幅に減っている。それは常に適切なポジショニングを取れるようになってきたからではないだろうか。

 ボールと相手選手をチェックできる位置に立つというのは守備時のポジショニングにおける基本。だが、相手はあの手この手でその状況をずらしに来る。クオリティーの高い相手FWの動きを視界に捉えながら、ボールの流れからも意識を外さずプレーし続けるのは簡単なことではない。ボールへの視野確保を優先していたら、相手に視野外へ逃げられてしまう。

 その点、伊藤は1対1の競り合いでは素早い出足でブロックし、クロスに対しても的確なポジショニングから丁寧にクリアしていく。足もとへのパスに対して鋭い読みでインターセプトを見せる。カバーリングのタイミングもいい。

■あらゆるシーンで高水準の対応力「うしろがどれだけ個で守れるかがやっぱり重要」

 いつでも冷静な様子でプレーしているので、ゆったりと動いているようにも見えるが、スピードはかなりあるし、対応する一歩目もスムーズ。これまで以上に慌ててボールへアプローチすることが減ったので、あらゆるシーンで難なく対応しているように見える。

「チームとして前からプレスにいく分、うしろがどれだけ個で守れるかっていうのがやっぱり重要になってくる。まずそこで負けないこと。あといろいろ対策してますけど、それが違った時にゲームの中でどうチームが反応していくっていうところは大事になってきます。崩れる前に自分たちで気づいて対応していけばいいなと思います」

 伊藤がそんなふうに話してくれたことがある。センターバック(CB)で出ても、サイドバック(SB)で出ても、求められるタスクをスムーズに実行して見せる。守備だけではなく、攻撃に関与する頻度や精度には素晴らしいものがある。見事なオーバーラップのタイミングやコース取りから得点機を何度も演出している。それは伊藤が総合的なレベルアップを遂げているからに他ならない。

 選手育成に定評のあるセバスティアン・ヘーネス監督の下、伊藤は己の存在価値をどんどん高め、現在ブンデスリーガにおける推定市場価値で日本人選手最高の2500万ユーロ(約42億円)をつけている。シュツットガルトの躍進とともに、来季はCLでさらなる成長を遂げるはず。その価値はまだまだ上がっていきそうだ。(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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