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メイクアップアーティスト・yUKIさんの旅模様を綴る連載企画「温泉にいこうよ。」がスタート。ふたり、ときどきひとりで日本各地に点在する温泉へ。その土地でしか体験できない“あたらしい”を見つけに。
アートと自然に包まれながら、五感をうるおす豊かな旅
古くから別荘地として栄え、美術館や博物館も多く点在する箱根・仙石原。「界 仙石原」は雄大な自然とアートの息づかいが感じられるアトリエ温泉旅館で、開業時には国内外の芸術家が滞在しながら創作活動を行う「アーティスト イン レジデンス」を開催。客室や館内では箱根の土地にインスパイアされて制作された数多くのアート作品を鑑賞できる。自然のエネルギーと鮮やかな感性から生まれたアートを心と身体に巡らせて、五感をうるおす。そんな豊かな旅のひとときを過ごしたい。
［旅する人］
yUKIさん｜メイクアップ・アーティスト＆ビューティーイノベーター
1990年渡仏、CHRISTIAN CHAUVEAUを卒業しディプロム取得。1998年帰国。ファッション誌やショー、広告で活動、女優・モデルからの指名でメイク担当することも。2009年には独自のメイクブラシブランド「ｙUKI MAKEUP」を立上げ、2019年「yUKI TAKESHIMA」としてリニューアル。その人本来の美しさを引き出すクリエイションに定評がある。Instagram: @yukimake
emiNagiさん｜メイクアップアーティスト
さまざまな現場で培ってきた経験からナチュラルメイクはもちろん、モデルの魅力を最大限に活かすメイクや新鮮な色使いを得意とする。最近ではメイクアップアーティストの枠を超えて、メイクやコスメのアドバイザーとしても活躍中。Instagramでの自身の毎日のメイクアップリールも話題を呼んでいる。Instagram: @eminagi_mua
【DAY1】心の声に耳を澄ます。新しい私に出会う旅がはじまる
15:00 午後の光あふれるエントラス。癒しの時空間に身を委ねて
新緑が光る季節、箱根登山鉄道の強羅駅より車に揺られること15分。旅の道中もおしゃべりが弾んでいたyUKIさんとemiNagiさん。宿へ到着してからも並んで旅の記念撮影をする微笑ましいおふたり。エントランスの窓から差し込む綺麗な木漏れ日がふたりをお出迎え。
一本杉の原木をアレンジしたレセプションのライト。館内にいながら、力強い自然の息吹を感じられる。
チェックイン後、アートや建築の本が並ぶ「アトリエライブラリー」にて、お部屋で眺めるための画集やエッセイをセレクト。
15:30 宿泊するのは、箱根の雄大な自然とアートが調和する「仙石原アトリエの間」
「お部屋のドアを開けるとアートが眼に飛び込んでくる演出が、旅のワクワクする気持ちを掻き立ててくれます」（yUKIさん）
寝室のベッドは、星野リゾート×日本ベッドが“心地よい和”にこだわった「ふわくもスリープマットレス」。布団のように肩が丸く、空間の邪魔をしない厚さも魅力。「身体に馴染んで、ぐっすり眠れそうです」（emiNagiさん）
地域の魅力あふれる「ご当地部屋」では、滞在したアーティストが箱根の自然や文化からインスピレーションを得て制作した絵画やオブジェを愉しめる。ふたりが宿泊した客室に展示されているのは、アーティストの田中紗樹さんの作品。客室の窓を開けたときに感じたそよ風や芦ノ湖の色を「静」と「動」をテーマにコラージュで表現。琉球畳の上にソファーを配した和モダンな空間で、テラスにある露天風呂からは山々が連なる仙石原の雄大な景色が望める。
「emiNagiちゃんとの二人旅は今回が初めて。どんな旅になるのか楽しみです」（yUKIさん）。「お誘いいただきありがとうございます。仙石原へ来たのは初めてなので、私もとても楽しみです。お部屋もとても開放的だし、このソファーも居心地が良くて、着いて早々すっかり寛いでいます」（emiNagiさん）
上：アートにまつわる書籍が並ぶシェルフ。左：可愛らしいルームキーホルダーは、地元のアーティストが手掛けたもの。アトリエ温泉旅館らしいこだわりが細部にも感じられる。右：風呂敷に包まれた温泉旅館らしいアメニティ。風呂敷の模様は「お客さまと界のご縁がつながるように」という意味が込められた“縁（えにし）だれ”をモダンにアレンジしたもの。
窓の外には風とともに流れていく雲の様子や金時山をはじめとする壮大な山の稜線がパノラマで広がる。
16:00 効果的な入浴法を楽しみながら学ぶ「温泉いろは」を体験
１泊２日で温泉の効果を引き出す「うるはし現代湯治」。「温泉いろは」は湯守りとなったスタッフの方が、仙石原温泉の歴史とともに泉質や効果的な入浴法を教えてくれる有意義なプログラム。大浴場の内風呂には源泉かけ流しの「あつ湯」と「ぬる湯」の２種類の湯船があり、酸性の「あつ湯」に浸かった後、「ぬる湯」に浸かると肌を落ち着かせることができる。温泉の基礎知識も身につく内容なので、この機会にぜひ参加して。
16:30 湯の花が舞い、光のアートが彩る大浴場へ
大涌谷から引いた湯は、白濁した酸性の温泉。pH2.0の硫酸塩・塩化物温泉で短時間の入浴で肌がなめらかになり、身体がしっかりと温まるのが特徴。pH2.0という数値は果実のレモンとほぼ同じ酸性レベルで、神経痛や筋肉痛、関節痛などに効果があるとされている。
露天風呂では木立が織りなす四季や時間の移ろいを眺めながら、湯浴みを堪能したい。露天風呂の外に流れる水庭には日中光を蓄えた蓄光石が底に散りばめられていて、夜になると星空のように煌めくアートな光が愉しめる。
壁に飾られたアート作品とテラスから差し込む光が心地よい湯上がり処。湯守りこだわりの「ご当地ドリンク」やアイスキャンディー（いずれも無料）をいただきながら、寛ぎのひとときを。
18:00 「仙石原ペダリング体操」で全身へアプローチ
滞在中誰でも参加できる「仙石原ペダリング体操」に挑戦。呼吸を意識しながら仙石原の風を切って自転車のペダルをこぐようなイメージで行う。体幹と太腿に軽く負荷をかけて足全体を動かすことで血流の改善を促す。
※通常はスタッフによる案内なし。
18:30 滞在中はアートに浸り、感性を研ぎ澄ます
山々に囲まれ喧騒から離れた仙石原は多くの文化人にも愛され、制作や文筆活動に没頭するのにも適した環境。滞在中は客室や館内の至る処でアートを感じられるのが嬉しい。そして、「アトリエライブラリー」はアートを鑑賞するだけでなく、内に秘めた表現欲を体現できるスペース。アートから受けた刺激を循環させて心を解き放ちたい。
19:00 山と海の恵みを美しい器とともに。春夏の会席料理をいただく
アトリエ温泉旅館ならではの趣向を凝らした器やプレゼンテーションで眼福と口福を満たしてくれる特別会席。台の物の「山海石焼」では、山海の幸を存分に味わいたい。火山活動で出来た仙石原の大地にちなみ約200度に熱した石を溶岩に見立てた演出で、新鮮な食材を石の上で焼きながらいただける。
季節の土鍋ごはんは、鰆の炊き込み。仙石原のすすきを映した趣あふれる土鍋は、蓋と身が対になっている唯一無二の組み合わせで、その縁起のよさも素敵。
大涌谷の噴煙を見立てた先付けの「サーモンの瞬間燻製」。蓋を開けると香ばしい薫りとフルーツやエディブルフラワーの彩りが広がる。自然豊かな仙石原を表現した眼にも美しい一皿。
牛肉や鴨肉、海老や鮑を焼き石でいただく「山海石焼」は土地の恵みの宝庫。
21:00 ご当地楽・「彩り手ぬぐい」に没頭。想いのままに表現を楽しむ
その土地の特徴的な魅力を楽しむ「ご当地楽」。「界 仙石原」では、自由な感性で手ぬぐいを彩るプログラムを毎日開催。型染作家の小倉充子氏によるオリジナルのデザイン、真っ白な手ぬぐいなど6種類の中から好きなデザインを選んで色を重ねたり、自由に絵を描いたり、表現を楽しみながら彩った世界で一枚の手ぬぐいを旅の想い出にして。
■日程：毎日２回開催（16:00〜／21:00〜）
■料金：無料
■場所：アトリエライブラリー
右上：「仙石原をイメージした野鳥や草花の絵柄を選びました。楽しくてずっと塗っていたくなっちゃいました」（yUKIさん） 左下：「気がついたら時間も忘れて夢中に！ 箱根名物をカラフルに色づけしてみました」（emiNagiさん）
22:30 就寝前はお部屋でのんびり。快眠のための温活を
入浴後の寛ぎタイムは客室に置いてある「うるはし現代湯治」のハンドブックを見ながら、温泉の効果を引き出すストレッチを。就寝前に体温が下がると良質な睡眠を摂りやすいと言われていることから、「蒸し生姜湯」は就寝の１時間ほど前にいただくのがおすすめ。お部屋でできる温活で湯治効果もグッとアップ。
「うるはし現代湯治」のハンドブックは温泉の効果を高めるための指南書。
就寝前の「蒸し生姜湯」が身体の芯から温めてくれる。
アートに触れ、自然の恩恵にあやかり、心身ともにリセットされた一日目。次回は「界 仙石原」で迎える朝の様子をお届け。九頭龍の森へのお散歩、滋養たっぷりの朝ごはんなど、楽しい湯治旅の続きをお楽しみに！
TIPS FOR TRAVEL｜旅服コーディネート＆メイク事情
旅もおしゃれも大好きなyUKIさんとemiNagiさん。１日目の旅スタイルとメイクのこだわり、愛用のトラベルアイテムをご紹介。
［DAY1｜yUKIさん編］
︎旅服コーディネート
「季節を感じたくて、ライラックカラーのニットで春色を取り入れました。お気に入りのデニムとスニーカーを合わせて、きれいめニットを上品にカジュアルダウン。旅気分を盛り上げてくれる軽やかな着こなしです」
・ニット／マイラン
・デニム／グッチ
・スニーカー／ナイキ
※すべて本人私物。現在販売を終了している商品もあります。
︎旅メイク
「ブルーのマスカラ、目の下にアイスブルーのアイラインをほんのり入れた眼元のグラデーションがポイント。口元にはリップオイルを重ねてツヤ感をプラス。旅先のきれいな光の効果を楽しむメイクです」
・マスカラ／オペラ カラーリングマスカラ 03 ブルー
・アイシャドウ／Shin ; kuu ポートレイ ミー スティック 05アイスペール
・アイブロウ／ジル・スチュアート ムースブロウマスカラ
・リップオイル／ラカ スージングヴィーガンリップオイル ナッシングイエロー
※現在販売を終了している商品もあります。
︎旅の必需品
「旅グッズを選ぶ基準はとにかく軽くて手軽に使えるもの。いつでも体調万全でいたいので、安心感のある香りのアイテムや普段から飲んでいるCBDオイル、サプリメントもお守りのように持っていきます」
（左から時計まわりに）
・アクエケア／Wild AFA スーパーエナジー・ブレイン＆スポーツ
・SUMIDAY／ヘアバーム ナチュラル
・ワフィト／UVクリーム
・ポロロッカ／ADPシートマスク
・Shin ; kuu／ポートレイ ミー スティック
※すべて本人私物。現在販売を終了している商品もあります。
［DAY1｜emiNagiさん編］
︎旅服コーディネート
「北欧ファッションを再構築したユニークなブロッキングデザインと着心地の良さがお気に入りのニットは韓国ブランドのもの。リラックス感がありながら遊びのあるディテールのパンツ、足元にはピンクのスニーカーを合わせてアートな気分を楽しみます」
・ニット／アンダーソンベル
・パンツ／トーガ
・スニーカー／アディダス
・キャップ／クリスチャン・ワイナンツ
※すべて本人私物。現在販売を終了している商品もあります。
︎旅メイク
「アートや自然に触れ合えるお宿をイメージして、ベースメイクはナチュラルですが目元や口元にニットとリンクしたニュアンスカラーをさり気なく効かせて、遊びのあるメイクに仕上げました」
・フェイスカラー／イプサ デザイニング フェイスパレット JT02
・アイライン／UZU アイ オープニング ライナー ブラウン
・リップ／rms beauty レジェンダリー セラム リップスティック ミランダ
※現在販売を終了している商品もあります。
︎旅の必需品
「旅先では普段よりたくさん歩くことが多いので、疲れた身体を緩める＆ほぐすアイテムが必須。香りが持つリセット効果も高いので、ヘアオイルにはパフュームとしても楽しめるアイテムを選んでいます」
（左から）
・ドクター365／V.C.コンセントレートマスク
・YUMEDREAMING／エピキュリアン グロス＆パフューム air
・SHIGETA／ボディー・マインド・スピリット
・御自愛／TENSHANICHI Good Luck Drop
・せんねん灸／太陽
・eume／めぐりソックス
※すべて本人私物。現在販売を終了している商品もあります。
今回のお宿は…「界 仙石原」
古くから別荘地として親しまれ、美術館や博物館が点在する箱根仙石原。この地で芸術家の息づかいに触れながら、大自然を満喫できるアトリエ温泉旅館。全室露天風呂つきで、温泉に浸かりながら仙石原の雄大な絶景を望める。
住所：神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817-359
電話：050-3134-8092（界予約センター）
アクセス：（電車）箱根登山鉄道・強羅駅より車で約15分（車）東名高速道路・御殿場ICより約20分
料金：1泊2食つき61,000円～（2名1室利用時の1名料金 サービス料・消費税・入湯税すべて込）
URL：https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaisengokuhara/
photograph：Makoto Shamura
design：Atsushi Aihara
text：Ayako Watanabe
edit：kiitos.
