連載『お洒落さんのためのファッション用語辞典』では、トラッドファッションから最新のファッションまで、FUDGEでおなじみのファッション用語についてわかりやすく解説します。第86回目は「グルカパンツ」のルーツを探ります。この連載を読んでファッション用語の背景や起源を知れば、毎日のお洒落がより楽しくなること間違いなし!
【用語解説】まずは「グルカパンツ」を知ろう。
「グルカパンツ」とは全体にゆったりとして股上が深いズボン。ウエストの両脇に尾錠留めの幅広ベルトがつくのが特徴です。膝上丈のショーツもあります。
【歴史】ネパールの山岳地帯の兵士の軍服だった
「グルカパンツ」の「グルカ」とはそもそもはイギリス人がネパールを差して口にした呼称で、「グルカパンツ」は19世紀に旧英国領インド軍の傭兵であるグルカ兵が履いていた軍の半ズボンに由来しています。動きやすさを重視した比較的ゆとりのあるシルエットや独特の尾錠留めの幅広ベルトは、丈夫さやきちんと感、安定感や着脱の楽さや支給するサイズをなるべく減らすためのもの。それがファッション的に解釈され、現代の「グルカパンツ」に再現されています。
【雑学】イケオジの「グルカパンツ」の着こなしがなんかいい♪
「グルカパンツ」の着こなしは、海外のイケオジの着こなしが参考になりそうです。ワークといえば、カーキカラーの「グルカパンツ」に同系色のシャツを合わせて、カジュアルさはそのままにほんのちょっとのきちんと感をトッピング。《ヴァンズ》のピンクのスニーカーに、見る人がちょっとクスっとしてしまう可愛げも感じさせるのが、いまどきの《グルカパンツ》の着こなしです。
監修:朝日 真(あさひ しん)
文化服装学院専任教授、専門は西洋服飾史、ファッション文化論。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科にて学ぶ。『もっとも影響力を持つ50人ファッションデザイナー』共同監修。NHK『テレビでフランス語』テキスト「あなたの知らないファッション史」連載。文化出版局『SOEN』他ファッション誌へ寄稿多数。NHK「美の壺」他テレビ出演。
illustration_Sakai Maori
edit & text_Koba.A