岸田首相が〝暗躍〟「石破新総裁」誕生の舞台裏 「決選投票は高市氏以外の候補で…」と〝指令〟 外交・安保、拉致、経済政策など懸念山積
zakzak by夕刊フジ / 2024年9月28日 14時47分
自民党総裁選は27日、石破茂元幹事長(67)が決選投票の末、第1回投票でトップだった高市早苗経済安保相(63)に逆転して新総裁に選出された。最終盤で、石破氏は「岸田文雄首相の路線継承」を打ち出して旧岸田派(宏池会)の支持を得た。石破氏は30日にも新執行部を立ち上げ、来月1日召集の臨時国会で102代首相に指名される。党内にリベラル系と保守系の分断が顕在化するなか、新閣僚・党役員は「岸田院政」を感じさせる布陣となるのか。石破氏の政権運営については、早くも外交・安全保障や経済政策で懸念が噴出しており、日経平均株価先物は一時2000円超も急落するなど、「石破ショック」が語られ始めた。
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「国民を信じ、勇気と真心を持って真実を語り、日本をもう一度、皆が笑顔で暮らせる安全で安心な国にするため全身全霊を尽くす」
石破氏は27日午後、自民党本部で新総裁としてこう語り、党の結束と国民の信頼回復を呼びかけた。
今回の逆転勝利は、内閣支持率が30%以下の「危険水域」に沈み込み、総裁再選を断念した岸田首相の力が大きい。
総裁選のキングメーカーとみられた麻生太郎副総裁と菅義偉前首相がにらみ合うなか、岸田首相が27日午前、「決選投票は、高市氏以外の党員票が多い候補でいく」と旧岸田派議員らに〝指令〟を出し、流れは決まった。今後、岸田首相は「闇将軍」のように振る舞いそうだ。
その石破氏に早くも懸念の声が出ている。
まず、外交・安保姿勢だ。石破氏の「政治の師」は、日中国交正常化を成し遂げた田中角栄元首相であり、対中融和傾向が強い。総裁選では、「アジア版NATO(北大西洋条約機構)構想」や「日米地位協定の改定」を掲げた。
米国政治に詳しい福井県立大名誉教授の島田洋一氏は「米国は現在、覇権主義的傾向を強める中国を警戒し、半導体分野などを中心にデカップリング(切り離し)を進めている。石破政権が『米中等距離外交』を打ち出すようなら、日米関係は極度に悪化する。『アジア版NATO構想』や『日米地位協定の改定』も懸念事項だ。あやふやな対中姿勢も相まって、米政界には早くも石破政権を不安視する声があがっている」と語る。
北朝鮮による拉致被害者救出でも大いに不安がある。
石破氏は総裁選で「東京・平壌での連絡事務所開設」を掲げ、被害者家族会の猛反発を受けた。「拉致問題の幕引き」が警戒された「日朝合同調査委員会の設置」との関連性を指摘する声もある。
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