1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

うまちゃんの財ザク! 日本のマクロ経済は着実に改善 デフレ脱却も夢ではないが…カギになるのは所得の再配分 トリクルダウン起こすのが政治の役目

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月17日 11時0分

個別にはメガバンク、住友ゴム工業に注目

ユニクロのファーストリテイリングが初任給を30万円から33万円に引き上げるのをはじめ、いくつかの企業が初任給の大幅引き上げを表明しています。自動車総連もベア要求額の目安を月額1万2000円とする方針です。具体的な金額目標を設けるのは7年ぶり。春闘に向け、いい流れです。ここは就職氷河期世代の所得向上も政治の大きなテーマになってほしいと思っています。

日本のマクロ経済の数字は着実に改善しています。名目GDPはプラスに転じ、税収も過去最高。今年は貿易収支も黒字転換する可能性が高く、企業業績も10%成長の見通し。このペースが続くと、デフレ脱却もできるかもしれません。

そのカギになるのが所得の再分配です。富が低所得層にも浸透して経済活動が活性化し、利益が再分配される「トリクルダウン」を起こすのは、政治の役目です。国民の支持が得られるのは、分配をする政治です。

マクロ経済環境がいい数字になったのは、アベノミクスがあったからで、与党がやってきたことです。その果実を現政権は分配に向け、国民生活を豊かにする還元を行うべきです。

先週末、円相場や株価に影響を及ぼす米国の12月の雇用統計が発表されました。農業以外の就業者は前月より25万6000人増加し、市場予想を大きく上回り、労働市場の底堅さが示されました。なのに、この直後のニューヨーク株式市場でダウ平均株価は下落しました。

どういうことかというと、雇用が強くなると、消費意欲も高まり、インフレが再燃しやすくなるからです。今月28~29日の会合でFRB(連邦準備制度理事会)がすると思われていた利下げが見送られ、それどころか将来も高金利のままか、あるいは再利上げもあるのではという思惑も出てきて、株価が調整されたわけです。

日本でも、日銀の来週23~24日の金融政策決定会合で「利上げに動く」との観測が根強いです。どちらも要注意事項です。

個別では、長期金利の上昇による利ざや改善期待から買いが集まる3大メガバンク、官民で高速光通信技術を米国に売り込むことが報じられた光ファイバーのフジクラ、米国グッドイヤーからダンロップ・ブランドのタイヤ事業を買収する住友ゴム工業などが注目です。

■おまけのひと言

「米マイクロソフトは今年6月期末までに、AI開発などに必要なデータセンターに約12兆6000億円を投資します。日本の補正予算規模の額。すごい話です。電線需要が拡大されるとの見方から古河電気工業なども大幅反発。日本にも波及しています」

【財ザク!】「貯蓄から投資へ」と提言する政府。その投資で少しでも財産アップを達成するために「うまちゃん」が有益な情報をザクザクとお届けします。

■馬渕磨理子(まぶち・まりこ) 経済アナリスト。日本金融経済研究所代表理事。イー・ギャランティ社外取締役。愛称・うまちゃん。1984年生まれ。滋賀県出身。同志社大学法学部卒、京都大学公共政策大学院修士課程修了。大学時代はミス同志社。『LiveNewsα』(フジテレビ系)など出演番組多数。新刊『一歩踏み出せない人のための株式原論』(プレジデント社)=写真=が話題。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください