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トップ直撃 全世代にワイン文化を〝醸造〟 「キリングループ」メルシャン・大塚正光社長 消費数量は40年間で8倍に伸長

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月27日 11時0分

――キリンビール時代は、街の飲食店全店をキリンに切り替えた経験も

「姫路支店時代、飲食店を回っていると競合の取扱店が増え始めたことに気付きました。飲食店に聞くと、来店客の指名とのことでした。『卸、酒販店をフォローしておけば』というこれまでの考え方を改め、繁華街の取扱店を徹底的に回り、飲食店のほぼ全店にキリンを置いてもらいました。この時の多くの関係者を巻き込んで達成できた経験が仕事のベースになっています」

――中国では経営立て直しに尽力しました

「麒麟(中国)投資有限公司時代、長江エリアの中国オリジナルブランド『沁麒麟』が伸びず、業績不振に陥りました。そこで、『一番搾り』ブランド集中戦略を図り、事務所を中心部から離れたところに移して固定費やコスト削減を実施し、3年かかるところを1年で黒字化しました」

――キリングループのファンケルでは新たな仕組みづくりを

「部内の課題抽出や課題解決のため、ファンケルのやり方をさらに良くするためにキリンのやり方を融合していくように提案しました。例えば海外事業部では、国別・業種別のPL(損益)管理を作成し、どこで売り上げや利益を稼いでいるかということを可視化、効率的投資に気付く仕組みを作りました」

――社員への思いをお聞かせください

「現場に行かなければ分からないことはたくさんあります。積極的にワイナリーをはじめ全国の事業所に出向いて、『今、頑張っていること』などを聞き社員を後押ししていきたいと思っています」

チリで見た広大なワイナリーに感動

【ワイン】高校時代は野球部。大学ではスキー部でアルペンスキー選手として活躍し、社会人となってからは取引先などを歩き回ることで体を鍛えた。キリンビール入社後は神戸支社でワインのマーケティングを担当した。「ワインにはこの頃から縁があったのかもしれません」

【世界のワイナリー】6月にパリ、ブルゴーニュ、シャンパーニュ、南フランス、ボルドー、スペイン、チリ、アルゼンチン、サンフランシスコにあるワイナリーの視察に出かけた。約10日間で回る強行軍だったが、広大な敷地に広がるぶどう畑を見て感動した。「チリのワイナリー『コンチャ・イ・トロ』は9000ヘクタール以上の畑でブドウ品種ごとに最適な畑を選択し生産するなど、勉強になりました」

【家族】妻、大学生の娘と息子の4人家族。娘と息子は中国赴任当時、大連の地元の小学校や、上海のインターナショナルスクールに通い、中国語、英語、日本語を流暢(りゅうちょう)に話す。帰国後、大学で勉学に励む。「2人とも国際関連の学部に進学し、楽しい学生生活を送っています」

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