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わが社の「健康経営」 JTB(2)24年から「PHRアプリ」の登録を義務化 定期診断に基づくアドバイスや医療費予測の表示など…健康の「自分ごと化」促進

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月15日 15時30分

休憩時間にも手軽に健康アプリをチェックできる(夕刊フジ)

自分では、自覚症状がなく健康上、仕事に支障もないのに、「病気疑い」と注意や警告ランプが灯ることがある。労働安全衛生法で義務付けられている定期健康診断だ。厚労省2023年「定期健康診断結果報告」によれば、異常が見られる有所見率は約60%。「自分は健康だ」と過信していると「要治療」といった言葉は見過ごしてしまうことがある。JTBグループでは、社員が日頃から自身の健康に関心をもってもらうために、PHR(パーソナルヘルスレコード)アプリを活用している。

【実年齢と健康年齢の差が一目瞭然】

同社が健康経営宣言を行ったのは17年。定期健康診断の高リスク者には医療機関への受診勧奨を行うなど、さまざまな取り組みを行ってきた。

「JTBグループは、20年にアプリを導入しました。健診結果に基づく健康状態を健康年齢として社員へ親しみやすく伝えることで健康の『自分ごと化』を促進すること、そして社員が職場の仲間と共に楽しく実感をもって健康習慣に取り組むことができる風土を醸成することが主な目的です」と、同社人事企画チーム人事企画担当マネジャーの小谷正樹氏は説明する。

社員は、アプリから自身の健診結果に基づいた健康年齢や生活習慣に対するアドバイスや健康記事、医療費予測、お薬手帳まで表示される仕組み。

「健康年齢は、アプリを開けば簡単にみることができ、実年齢や同性・同年代の健康年齢と比較も表示されます。実年齢44歳で健康年齢41歳と表示されれば、自分の健康状態は良好だ、これからも健康であり続けようと、健康維持・増進へのモチベーションが上がります。反対に、48歳と表示されると何が悪いのかと、自身の健康について考えるきっかけになるでしょう。社員一人ひとりに適したアドバイスや健康記事の配信は、改善に役立つヒントになります」(小谷氏)

【週末に仲間と楽しくプチ旅気分】

導入したアプリは、毎日の歩数や体重、血圧、睡眠時間、食事、血糖値、体温などを記録する機能もつき、健康クイズなどのイベントも開催。同社ではグループ全体のウオーキングラリーを年1回実施し、個人参加だけでなく、チームを作っての参加も可能にしている。目標を達成することでポイントも獲得できる仕組みだ。

チーム参加では、職場でチームを結成し、会社帰りや週末に集まってウオーキングイベントを行っているグループもある。参加した社員は、「楽しく2時間程度歩いた後、ディナーやランチを食べて帰ります。職場とは違った雰囲気の場所でさまざまな話をすることでお互いの理解が深まり、組織としての絆が強まっていると感じています」と話していた。

賞品やポイントもウオーキングのモチベーションを上げるが、仲間と楽しく過ごす時間は、さらに参加意欲を後押しするようだ。

「アプリの導入当初は任意参加だったので、アプリ登録率は50%台でした。24年からは登録を義務化し、これを利用して、社員の主体的な健康増進の取り組みをさらに促進したいと思っています」と小谷氏は展望する。 (取材・安達純子)

■株式会社JTB 旅行業を基盤に交流創造事業を展開。グループ社員数1万8663人(2023年3月31日現在)。1912年創立。経済産業省等の「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定。

【健康経営とは】従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践すること。従業員の健康が生産性や企業価値の向上につながり、就活や転職先企業の指標にも。

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