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「対中」姿勢こそ最重要基準、自民党総裁選 わが国の領空が侵犯、岸田政権「弱腰外交」が中国を増長させた 山上信吾氏緊急寄稿

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月1日 10時0分

山上信吾氏(夕刊フジ)

自民党総裁選(9月12日告示、同27日投開票)の前哨戦の最中、中国が日本領空の侵犯という「重大な主権侵害」を仕掛けてきた。日本政府や日中友好議連の抗議や遺憾砲に対し、中国は「いかなる国の領空にも侵入するつもりはない」(中国外務省)などとうそぶいている。防衛省統合幕僚監部は30日、中国の無人機と推定される1機が同日午後、東シナ海から飛来し、日本最西端の沖縄県与那国島と台湾の間を通過して太平洋に向かったと発表した。前駐オーストラリア日本大使の山上信吾氏は、岸田文雄政権の「弱腰外交」が中国を増長させたと喝破し、二度と領空侵犯をやらせてはならないと指摘する。10人以上が出馬意欲を示す総裁選の判断基準として、「対中姿勢」を最重視した。

恐れていたことが起きてしまった。

中国人民解放軍偵察機による日本領空の侵犯だ。しかも、中国側が国際法上、誰も真面目に取り扱わない破天荒な主張を重ねてきた沖縄県・尖閣諸島上空ではない。長崎県の男女群島沖上空という、中国側も日本の領空であることを争わない空域だ。だから、「なおさら罪深い」と言えよう。

一部メディアや論者は中国側の意向の忖度(そんたく)にきゅうきゅうとしているが、そんなことは二義的な話だ。

重要なのは、まごうかたなき、わが国の領空が侵犯されたこと。ロシアは何度も犯してきたが、中国は初めて。その意味は、限りなく重い。そして、将来に暗い影を投げかけている。

第1に指摘すべきは、岸田文雄政権の「腰の引けた対中姿勢」が、中国をここまで増長させたことだ。

日本の排他的経済水域(EEZ)への弾道ミサイル5発の撃ち込み。原発処理水の海洋放出を受けた日本産水産物の輸入停止。尖閣諸島周辺の日本のEEZ内に海上ブイ設置。駐日中国大使の「日本の民衆は火の中に連れ込まれる」との暴言。東京・靖国神社の石柱への放尿・落書き事件。中国・蘇州で日本人親子切り付け事件など…。

こうした恫喝(どうかつ)、「侮日」行為が相次ごうが、「遺憾」の一言を繰り返すだけで、語るべきメッセージも成す術ももたなかった対応が招いた必然と認識すべきだ。

そう考えれば、柔弱でにやけた笑いが十八番である外務省の岡野正敬事務次官が、中国の施泳駐日臨時代理大使に申し入れをしたくらいで済ませては絶対にいけない。

上川陽子外相がアドバイスを仰いでいるとされる福田康夫元首相の教えに反しようが、中国の王毅共産党政治局員兼外相に対して厳正に抗議しなければならない重要度の話だ。日中友好議連が鼻の下を長くして訪中などしている場合ではないのだ。

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