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大鶴義丹 やっぱりOUTだぜ!! 交通ルール破る〝ママチャリの人〟激怒映像に…「子持ち」ではない側、押さえ込んでいた潜在的怒りに火が SNSは独立ワイドショーだ

zakzak by夕刊フジ / 2024年4月23日 11時0分

俳優の大鶴義丹(夕刊フジ)

「ウィンドウズ98」が出たくらいだろうか。

スマホの出現を予見して、それとSNSの組み合わせを〝究極の情報民主化〟と言っていた学者さんがいた。

そうした時代になれば、誰もがマスメディアに縛られることなく、情報を発信して享受することができる。しかし、彼はこの負の面をまったく見落としていた。

ある部分においては想像以上に「民主化」したのは事実だろう。それにより、かのテレビ局が斜陽産業になるほどだ。しかし、同時にそれ以上の大多数は、ただの「騒乱罪」にすぎなかった。

昭和の時代に一番調子に乗っていた頃の「ワイドショー」のパワーを、誰彼かまわずに無差別に渡してしまったようなものだろう。

スピード感においてはそれ以上ともいえる。しかし、一流大学出身だらけのテレビ局でも暴走してしまった歴史があるわけで、その強大なパワーを多くの一個人がコントロールできるわけがない。むちゃくちゃな使い方をするヤカラが出てくるのは当然であろう。

法律的にはクリアしていても、どうしても許せないことが誰にでもある。妬み嫉(そね)みをはじめ、公には声に出しにくい憎悪がささいなきっかけからネットでバズるのは、いかに多くの人が心の奥にあるマグマをどれだけ押さえ込んでいるのかということだろう。

「子持ち様」というネットスラングがある。子育てサポートを導入した企業も増えてきたなかで、支援策がうまく機能せず、子供がいない社員の負担が増えたという現実がある。

「職場」における両者の感情的な対立は根深い。子育て世代の優遇に対して、損をしていると感じている側が強い皮肉を込めて使っている。ちょっとSNSを検索すれば「子持ちだけ優遇」といった類があふれ出る。

その逆に「子持ちなんだから当然よ」というように、社会的な優遇を当たり前とする側もいて、見えない分断がハッキリし浮き上がる。

そんな背景の「逆流」がやはりおきた。とある交通トラブルの映像が騒動となったのだ。

自動車側のドラレコに記録されていたもので、子供を乗せた電動「ママチャリ」で交通ルールを破りながらも、自動車の運転手に対して激怒した様子で、叫びながら何かを訴えかけている主婦らしき女性の映像だ。

身なりの良い、30代半ばあたりの美人ママさんである。この動画だけでなく、個人情報が流出してしまい、彼女の生活に支障がきたすほどの騒動になってしまった。

自転車マナーの悪さは以前から話題になっているが、これは明らかに「子持ち」と「女性」という対象イメージが、その逆にいる側の怒りを買ったのだと思う。

個人の顔が写ってしまっているこの手の交通トラブル映像はいくらでもあるが、普通はここまで「トレンド」にはならないものだ。

普段からくすぶっていた「子持ち」や「女性」がいつも偉そうにしていやがるという、押さえ込んでいた潜在イメージに火がついたのだろう。

この手の逆襲的なネットリンチというのは、規制がかかるまで続くだろう。

自分が「恵まれた側」にいるという自覚がある方は、普段の行動に気をつけたほうが良い。まさに負けるが勝ちだ。

■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画「首都高速トライアル」で俳優デビュー。90年には「スプラッシュ」で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。NHK・Eテレ「ワルイコあつまれ」セミレギュラー。

5月4~7日、東京・渋谷伝承ホールで上演される「浅見光彦シリーズ『後鳥羽伝説殺人事件』」に出演する。

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