規正法改正で与党合意も「外国人パー券」野放し なぜ逃げた岸田首相「政治に極めてネガティブな影響」も自公執行部〝完全無視〟
zakzak by夕刊フジ / 2024年5月10日 15時10分
今通常国会の焦点だった政治資金規正法改正で自民、公明両党が9日、与党案を取りまとめた。政策活動費の使途明確化などを盛り込んだが、「外国人のパーティー券購入禁止」には言及しなかった。日本周辺の安全保障環境が緊張感を増しているが、岸田文雄首相(自民党総裁)は「外国勢力の浸透や介入阻止」に踏み込まないのか。
パーティー券購入者の公開基準額では現行の「20万円超」の引き下げで合意したが、「5万円超」を主張する公明党に対し、自民党は「10万円超」にとどめたい意向で具体額は示されなかった。
政党から党幹部に支出される政策活動費でも、議員に明細書提出を義務化させる案の公明党に対し、自民党は「調査研究費」「党勢拡大費」など大まかな使用目的別に金額を公開するとしており、協議を継続することになった。
国会議員関係政治団体から、公開基準の緩い「その他政治団体」への資金移動の規制策については、年間1000万円以上の寄付を受けた団体を対象に、支出の公開基準を厳格化する。
自民党のベテラン議員は「岸田首相は『改革の先頭に立つ』とブチ上げたが、後手後手で結局、他党の後追いになった。国民の不信感はむしろ増したのではないか」と懸念する。
自民党は法改正の腹案をなかなか示さず、いらだった公明党が岸田首相を国会で〝追及〟してようやく、独自案をとりまとめた。さらに先月末の衆院補選に〝全敗〟すると、日本維新の会が強く主張してきた「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)使途公開の検討を始めた。
一連の〝急転回〟のなかでも、岸田首相や自公が踏み込まなかったのが「外国人や外国法人などによるパーティー券購入禁止」だ。外国人や外国法人による寄付は禁止されているが、パーティー券の購入は〝野放し〟の状態だ。
国会でこの実情を追及し、是正を訴えてきた松原仁・元国家公安委員長(無所属)は「日本国籍以外の人にパーティー券を売るべきではないという声は与野党問わず高まっている。販売が〝野放し〟状態なら、日本の政治に極めてネガティブな影響を与える恐れがある」と指摘する。
「法改正の好機に岸田首相がなぜ逃げたのか大いに疑問」島田氏
だが、自公両党執行部は〝完全無視〟した。
国際政治に詳しい福井県立大学の島田洋一名誉教授は、「外国人献金や資金流入のリスクが明示されているのに、岸田首相はなぜ逃げたのか。日本政界へのさまざまな資金提供に警戒を強めるべき状況で、法改正を実現するまたとない好機を逸した。その意図に大いに疑問がある」と厳しく批判した。
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