迷走する「石破外交」中国・習氏は片手なのに両手で包み込む〝媚びへつらう姿〟発信 国際会議での「引きこもり」姿勢に懸念も
zakzak by夕刊フジ / 2024年11月28日 15時30分
前駐オーストラリア大使、山上信吾氏緊急寄稿
臨時国会が28日、召集された。10月の衆院選後初の本格論戦の場で、新たな経済対策の裏付けとなる今年度の2024年度補正予算案に加え、「政治とカネ」の問題を受けた政治資金規正法の再改正が主な焦点とされる。ただ、わが国唯一の同盟国、米国に来年1月、「ドナルド・トランプ大統領」が復活するのを見据えて、石破茂政権の「外交能力」も問われそうだ。石破首相は先の南米訪問で「外交失態」を重ねたうえ、トランプ次期政権が「対中強硬路線」を明確にするなか、石破政権は「対中融和姿勢」を見せている。前駐オーストラリア大使で外交評論家の山上信吾氏が緊急寄稿した。
案じていたことが起きつつある。「石破外交」が迷走を始めたのだ。
米大統領選で圧勝したトランプ次期大統領と電話で話せたのはわずか5分。南米訪問に合わせた早期面談は、体よく断られた。
当然だ。トランプ氏から見れば、衆院選で惨敗した石破首相は、有権者から何らマンデート(権限)を与えられておらず、いつ辞めてもおかしくない。そんな相手に費やす時間と暇など、米国にはない。
加えて、石破首相が自民党総裁選の最中に打ち出した「アジア版NATO(北大西洋条約機構)の創設」や「日米地位協定の改定」といった外交・安保政策の目玉は、トランプ氏が何ら関心を示すことはない明後日の話題だ。「今そこにある危機」に対して、日本が十分な防衛費増額をして対応する決意があるのか? それこそ彼が問いたい課題だろう。
さらに、石破首相が、トランプ氏の盟友である安倍晋三元首相に後ろから鉄砲を撃ち続けた「政敵」という情報が上がっていないわけはなかろう。
米国に相手にされないのなら、まずは「他の同志国との関係を固める」という発想があっていいものだ。
ペルーで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議では、カナダのジャスティン・トルドー首相ら各国首脳が、自席に着いていた石破首相に次々にあいさつにきてくれた光景には救われた。
だが、そんな好意に、石破首相は座ったまま対応した。完全にアウトだ。
石破首相は新参者の一人である。着任順で決まるプロトコル(国際儀礼)序列上は最下位に近い。名だたる先輩首脳が気を使ってくれたのに、なぜ自分だけ座ったままでいられようか?
相手が自席にまであいさつに来てくれたのなら、立ち上がって礼を尽くすのが人の道。自民党の会合でも同じだろう。
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