ロシア軍がNATO加盟国へ攻撃準備、ドイツ軍トップが警戒「5~8年以内に」プーチン大統領、新たな侵攻に打って出る恐れ
zakzak by夕刊フジ / 2024年4月22日 6時30分
ロシア軍のウクライナ侵攻開始から約2年2カ月が経過したが、プーチン大統領はさらに戦線を拡大するのか。ドイツ軍トップは、「ロシア軍が5~8年以内に北大西洋条約機構(NATO)加盟国を攻撃する準備が整う」と述べた。
ロイター通信などによると、ドイツ軍トップのカルステン・ブロイアー総監は17日、訪問先のポーランドで記者団に対し、「(ロシア軍に)攻撃されるとは言わないが可能性はある。私たちが見据えるのは5~8年後の脅威だ」と述べ、ロシアがウクライナ戦争の影響を受けた軍を再建すれば、5~8年以内にNATO加盟国を攻撃する軍事的準備が整う可能性があると述べた。「ロシアは大量の軍需品を生産しているが、全てをウクライナの前線に投入しているわけではない」とも指摘した。
NATO加盟国32カ国のうち、ノルウェー、フィンランド、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランドの6カ国がロシアと国境を接している。欧州諸国はロシアへの抑止力強化で軍備増強を進めている。
米国は、ロシアが中国や北朝鮮、イランとの結び付きを通じて兵器生産を強化していると警戒している。バイデン米大統領は昨年12月、「もしプーチン氏がウクライナを取れば、そこで止まらない」と述べ、ロシアがウクライナに勝利すればNATO加盟国を攻撃する恐れがあると発言した。
これに対しプーチン氏は、「ロシアがNATO加盟国と戦う理由や利益は経済的にも軍事的にも地政学的にもない」と侵攻の意図を否定している。一方で昨年12月には、ロシア軍を最大17万人増員して132万人に増やす大統領令に署名するなど軍の増強を続けている。
今年2月には北欧のスウェーデンがNATOに加盟した。バルト海をNATO加盟国が取り囲む形となり、同海に拠点のひとつを置くロシア海軍が封じ込められる可能性が指摘されている。
プーチン氏は3月の大統領選で「圧勝」し、5月の就任式で正式に次期大統領に就く。任期は2030年までの6年間ある。ドイツ軍トップが警戒するように、プーチン氏は任期中に新たな侵攻に打って出る恐れもある。
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