ニュースの核心 自民党総裁選 高市氏、小泉氏、小林氏の3氏を軸に展開か 信頼回復へ誰もが「あっと驚く」候補必要、能力の評価は別
zakzak by夕刊フジ / 2024年8月24日 10時0分
そんな「逆バネ」を効かせて、自民党は何度も瀕死(ひんし)の状態から生き延びてきた。森喜朗政権の後、「自民党をぶっ壊せ」のスローガンとともに登場した小泉純一郎元首相が典型である。
そうした視点で眺めれば、残念ながら、石破氏や林氏、茂木敏充幹事長(68)、加藤勝信元官房長官(68)ら他の候補者は、いずれも「古い政治家」だ。「刷新された感」がない。「河野氏は違う」と思う人もいるだろうが、普通の国民から見れば、いやいや、要職を重ねた河野氏も十分に「既成の政治家」である。
以上は、あくまで「自民党のサバイバル術」でみた総裁候補の優劣にすぎない。能力に対する評価は別だ。
例えば、一躍「希望の星」扱いをされている小林氏について言えば、私はかなり懐疑的だ。彼は「タカ派」かもしれないが、経済政策は財務省路線だろう。それと悟られないように「言葉を選んでいる感」がにじんでいる。小泉氏に至っては、雲をつかむようで、まったく分からない。
高市氏は比較的、明確だが、岩盤保守層からどこまで支持を広げられるか。戦いは始まったばかりだ。
■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務めた。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア―本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。ユーチューブで「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」配信中。
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