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ぴいぷる 歌手・山内惠介のおもてなし 心ほどける〝温泉ボイス〟育った土壌には美空ひばりが…「歌の生命力は想像がつかない」

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月19日 11時0分

歌手の山内惠介(夕刊フジ)

演歌の円熟味がいよいよ増してきた41歳。抜群の歌唱力を誇るステージを見ていると、湯船から上がったときにホッとする緊張と緩和がある。

「バンドのメンバーから、『客席を見ると、みなさん温泉につかっているような表情ですよ』と教えてもらったことがあります。心と体がほどけるような歌が届けられるといいですね」

地元・福岡のカラオケ大会で、ひときわ個性的な声の高校生に声をかけ、原石を見いだしたのが作曲家、水森英夫さん。門下で鍛えられた。

「歌い手は、歌で勝負だ。しゃべらなければ、しゃべらないほどいい」。デビュー当時に言われた師の禁を破り、いまコンサートでは歌の合間にMCを流暢(りゅうちょう)にこなす。

「先生が求めていたのは歌い手なら歌い手らしいしゃべりをしなさい、ということだと受け止めています。曲に対する思い、お客さまをおもてなしする思いをこめます」

シリアスな歌のあと、マジメな話では会場の空気が重たくなる。さっと舞台袖で鮮やかな衣装に着替えて、再登場すると笑顔で、「この衣装~」と問いかける。客席からはお約束で「いいっしょ~」とキャッチボールでダジャレが返ってくる。

「鉄板(のギャグ)が必要なのではないかと。僕が第二の故郷と慕っている北海道の言葉で、『これ、おいしいっしょ』というように、言ってみたらウケまして。やさしいお客さまです」

根室半島が舞台の「風蓮湖」や「釧路空港」などご当地ソングがブレークし、道内でラジオ・テレビのレギュラーを持つほどまでに押し上げてくれた北海道への恩と愛着がギャグと重なる。

「以前は、おやじギャグとか全く言わなかったんですが、ある時、構成作家の先生が『秋といえば、芸術の秋、読書の秋、八代亜紀』って台本に書かれて、舞台で言ったらバーンとウケたんです。先輩方のMCも興味ありますね。川中美幸さんが、舞台で『このCD買わなきゃみゆき』とおっしゃるとドッカーン。温かみが出ますよね」

昨年、作曲家でピアニストの村松崇継が手掛けた「こころ万華鏡」で新境地を開いた。今年も村松作品の「紅の蝶」で快進撃を続ける。スタジオジブリ作品や竹内まりやへの楽曲提供でも知られるクラシック出身の村松と演歌の化学反応は、来年迎える25周年に向けたチャレンジでもあった。

「手嶋葵さんの『ただいま』を聴いたとき、ああ、村松先生のメロディーに自分の声が乗ったら、どんなふうに響くんだろうと。山内君だったら書きたいとお言葉をいただき、また違う扉を開けられるなと思いました。『紅の蝶』でもコブシが自然と入っちゃうんですが、『山内君のこぶしで、僕がグルーブしているものが聴けて本当うれしい』と村松先生に言っていただきました」

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