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大人のエンタメ 映画「チャイコフスキーの妻」 ロシアの天才作曲家の〝世紀の悪妻〟の熱烈な愛情と強靱な意思、資料からひも解き描く

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月4日 11時0分

「チャイコフスキーの妻」より(夕刊フジ)

ロシアの天才作曲家、チャイコフスキーの人生は決して恵まれてはいなかった。妻の存在が重くのしかかっていたのだ。妻は「世紀の悪妻」と呼ばれ、チャイコフスキーを苦しめたと音楽の歴史書にも書かれている。6日公開の「チャイコフスキーの妻」(キリル・セレブレンニコフ監督)では、妻のアントニーナがどんな人間だったのかを資料をかき集めて描き出すことに成功している。

アントニーナの熱烈な愛情はすさまじい。19世紀の帝政ロシアという、女性の権利などないに等しかった時代に「あなたは永遠に私のもの」と、離婚を突き付けられても拒否し続けた強靭な意思の持ち主だったのだ。

それだけではない。チャイコフスキーには当時タブーとされた同性愛者という疑惑がついて回った。セレブレンニコフ監督は、その問題こそがこの秘めたる夫婦関係の核心だとして、フタをすることなく描いている。

結婚するが、チャイコフスキーは夫婦生活を拒み、すぐに別居。その後40年間、離婚を拒み続けた妻に一度も会わなかったというから、疑惑が深まるのは当然か。監督の大胆な解釈には納得するものがある。

多くの手紙類は当局の手によって検閲、保管されているため、監督は過去の出版物を手掛かりに、アントニーナを精神的に追い詰めていった事実を残された書簡や日記からひも解くほかなかったという。自由のない時代に生きることの難しさを思い知らせる映画でもある。 (望月苑巳)

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