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新田哲史 東京都知事選・大情報戦を斬る! SNSや動画配信で「ドブ板選挙」が様変わり 東京都知事選、先の港区長選で勝因の一つ動画広告がいまや〝政見放送〟に

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月18日 15時10分

石丸伸二氏は広島県安芸高田市長時代、夕刊フジのインタビューに都政への思いを熱く語った=6月3日、安芸高田市(夕刊フジ)

東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)に向けて、現職の小池百合子知事と、蓮舫参院議員は18日、選挙公約を発表する。実績や経験、支援組織だけでなく、政策面での女傑対決も注目される。かつて、「選挙の天才」と呼ばれた田中角栄元首相は戸別訪問3万軒、辻説法5万回を「勝利の法則」として若手議員に説いたが、1100万人超の有権者がいる都知事選ではドブ板選挙は難しい。インターネットを使った選挙活動の解禁は、旧来と違う発信を可能とした。報道アナリストの新田哲史氏は、地方・国政選挙を激変させている、ネット選挙に迫った。

小池知事と、立憲民主党を離党した蓮舫氏の「二強対決」でテレビが盛り上がるなか、ネットで「第三の男」として注目を集めるのが広島県安芸高田市の前市長、石丸伸二氏だ。

自民党国会議員夫妻による大型買収事件のあおりで、2020年7月、前任市長が辞職した。石丸氏は同市出身で、京都大学を卒業後、三菱UFJ銀行に入行し、ニューヨーク勤務も経験したエリートだったが、ふるさとの立て直しに一念発起し、同月、無所属出馬した。

初当選後は、市議会での居眠り議員に「恥を知れ!」と一喝するなど大胆な言動がユーチューブ経由で拡散し、〝インフルエンサー市長〟として大ブレークした。同市のユーチューブチャンネルの登録者数は、全国の自治体でダントツの26万超を誇る。

15日に都内の事務所で開いた、石丸氏のボランティア説明会には約1000人が集結。16日の秋葉原駅前の街宣には、組織がないのに少なくとも500人の聴衆を集め影響力の高さを見せつけた。陣営幹部は「マスコミ報道の『小池vs蓮舫』という構図をネットから崩したい」と意気込む。

インターネットを使った選挙活動(ネット選挙)が解禁されて11年。当初はネットの人気が得票に直結しなかったが、近年の選挙では参院比例代表における自民党の山田太郎氏や、NHK党(当時)のガーシー氏のように、SNSや動画で影響力を持つ候補者の当選が相次いで、様変わりしている。

実は、動画発信は「ドブ板」の地方選挙の光景も変えつつある。

6月2日投開票の東京都港区長選では、30・62%の低投票率にも関わらず、新人の元区議、清家愛氏が、自民党と公明党の組織が推す現職を破り衝撃を与えた。勝因の一つに、動画広告があったことは意外に知られていない。

選挙での動画広告をめぐっては、昨年4月の江東区長選で初当選した木村弥生氏が後に公選法違反として在宅起訴された事件が記憶に新しい。だが、違法なのは「告示後」に自身への投票を呼びかける動画を〝広告〟で配信したためであり、清家氏の場合は「告示前」の数日間に自身の政策やビジョンを述べた内容を配信した。

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