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ぴいぷる シンガー・ソングライター、上田正樹 R&Bのリズムが皮膚の下にあるんだよ 心にあった尊敬するレイ・チャールズの言葉

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月23日 6時30分

上田正樹(夕刊フジ)

「ええで、何でも聞いてや」と軽やかに話す様子は〝大阪のおっちゃん〟だが、その言葉には、デビューから52年の重みがしっかりと伝わってくる。R&Bにどっぷりはまった半世紀だった。

そこには尊敬してやまないR&Bシンガー、レイ・チャールズの言葉が心にあったからだ。

「26歳か27歳のころ、『週刊プレイボーイ』でレイ・チャールズにインタビューさせてもろたんよ。で、あなたにとって音楽って何ですかって聞いたら、『俺の血のようなもんだ』って。もうワーってなるよね。やっぱり血がなせる技なんやなと思ったもん。何とかしてその域を知りたいと思ったから、ここまで続けてこられたんやろね」

今から50年前、福島県郡山市で「ワンステップ・フェスティバル」が開催された。今でいう野外フェスのはしりだ。そこであるバンドが注目された。「上田正樹とサウス・トゥ・サウス」だ。

「大阪でやってた僕らにオファーが来てね。みんな新幹線に乗るお金がないから、在来線で郡山まで行って、もうヘトヘト。でも無名の僕らがステージで演奏を始めたら、音を聴いて、みんなぞろぞろ集まって、踊り始めたの。それを見て、よっしゃと思ったんやね、客席の中に飛び込んだもん」

「サウス・トゥ・サウス」は直後にリリースした〝上田正樹・有山淳司(現有山じゅんじ)〟名義のアルバム「ぼちぼちいこか」(1975年)でさらに注目される。

その有山をゲストに迎えて、9月27日、東京・渋谷のさくらホールでコンサートを開催。同時期に同じく関西で活躍した「ウエスト・ロード・ブルース・バンド」の元メンバーである永井〝ホトケ〟隆と山岸潤史も加わる。「みんなすごいメンバーよ」と自信を持つ顔ぶれだ。

音楽との出会いは今では奇跡的だと思っている。彼女に振られた友人から、英バンド「アニマルズ」のライブに誘われたのがきっかけだった。このライブに行かなければ、今はなかったかもしれない。

「ジョン・リー・フッカーのカバーで、『ブーン・ブーン』って曲があるんやけど、すっごい感動したんよ。絶対にシンガーになるって思ったんです」

当時、父のように医師になろうと東大を目指して猛勉強していた。しかし、音楽に魅せられてからは、バイトでお金をためて安いギターを買い、もうブルース一辺倒。

「そりゃ親は猛反対よ。高校卒業してもブラブラしてて、もうどうしようもないからギターと風呂おけを持って家出したの。なんで風呂おけかって? 風呂に行ってくるって言ったまま、出てきたからねえ(笑)」

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