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八木秀次 突破する日本 自民党新総裁に求める「有事対応の能力と胆力」戦時下の政治指導者となる可能性 必ず負ける戦い方だった岸田首相の危機管理

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月18日 6時30分

自民党総裁選の共同記者会見に臨む各候補者(左から)高市早苗、小林鷹之、林芳正、小泉進次郎、上川陽子、加藤勝信、河野太郎、石破茂、茂木敏充の9氏=13日午後、党本部(夕刊フジ)

自民党総裁選が告示され、9人が立候補した。岸田文雄首相が不出馬を表明し、大半の派閥が解消したことから混戦状況となっている。新総裁は27日に選出され、来月初旬には新首相に指名される。

現在のところ、各候補の主張は思い付きのような生煮えのものや、現在も政権の中枢にいながらその政策をひっくり返すようなもの、「改革」を強調するが内容空疎なもの、野党と変わらないものなどが散見される。

自民党総裁は即、内閣総理大臣でもある。「国家の経営者」としての骨太の政治理念や国家観がなければならない。

特に、次の首相は「戦時下の政治指導者」となる可能性も否定できない。「台湾有事」の危惧など、日本周辺の安全保障環境は悪化している。有事に対応できるだけの能力と胆力を備えた存在でなければならない。

岸田首相への国民の支持率が低かったのは、具体的な政策が失敗したからではない。外交・防衛政策では反撃能力の保有を可能にし、防衛費のGDP(国内総生産)比2%への増額も決定した。日米の同盟関係を深化させ、日韓関係も大幅に改善した。総じて日本の外交力と抑止力を高めた。

しかし、突発的な問題が生じたときに、対応を常に間違った。「危機管理に弱い」ということだ。

例えば、旧統一教会問題。何が問題なのかを主体的に調査することなく、「社会的に問題が指摘されている団体」と判断を外に任せて、汚いものを遠ざけるように扱った。それで自民党の国会議員との間に次々に「接点」が指摘されて泥沼にはまり、支持率を下げた。

次にLGBT問題。自らの秘書官が差別発言をしたことから、当面の批判をかわすために自らも乗り気でなかった理解増進法の制定を指示した。これでコアな自民党支持者(いわゆる岩盤保守層)は離れていった。

最後は政治資金の不記載問題。

東京地検特捜部が100人体制で捜査したが、結果は数人の逮捕や略式起訴で終わった。問題は不記載であったのだから、「今後は記載を徹底させる」でよかったはずだが、話を大きく広げた。派閥を「諸悪の根源」のように扱って解消を宣言し、自ら国会の政治倫理審議会へ出席してみたり、野党やマスコミ世論に攻め込まれる戦線を広げていった。

かつて日本軍は大きな戦略を持たずに戦線を次々に拡大し、敗れるべくして敗れた。岸田首相の戦い方も必ず負ける戦い方だった。

自らに信念と覚悟がなく、最終はマスコミ世論の強硬論に引きずられ、後から付いていく形になる。これでは国民は不安だ。低支持率の理由だろう。

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