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保護者介入で「えらいことに」 勝利か楽しみか…新興チーム揺るがした“方針解釈”

Full-Count / 2024年5月28日 7時50分

大阪オールスターズJr.の練習の様子【写真:チーム提供】

■保護者の当番など一切なし…大阪オールスターズJr.の森浩彬監督「今の時代、当たり前」

 大阪・箕面市を拠点に活動する少年軟式野球チーム「大阪オールスターズJr.」は、結成からわずか3年で90人の部員を抱える大所帯となった。森浩彬監督が、学童野球特有の固定観念や先入観を打破し続け、短期間で府内でも屈指の人気チームへと成長を遂げた。Full-Countでは、全国で話題の学童野球チームの“選手を育てる秘訣”に着目。同チームの指導方針から、子どもたちの成長を促すヒントに迫った。

 大阪オールスターズJr.の“原点”は、森監督が所属している軟式野球チーム「オールスターズ」(箕面市)にある。北陽高(現関大北陽高)を卒業と同時に草野球を開始。気づけば30代も半ばを過ぎ、ちょうどメンバーの子どもたちが野球を始める時期と重なった。

「子どもを入部させるのに、なかなかいいチームがないということで、もう自分たちで作ろうかと(笑)。草野球もそろそろ歳をとってきたし、あかんなという感じで、子どもに力を入れようとなりました」

 そういった経緯から、チームメートだった小南和之さん(現代表)、柳原将吾さん(事務局長)と、2021年に「大阪オールスターズJr.」を誕生させた。森監督がこだわったのは、現代にマッチしたチーム運営だ。「家族との時間などを大事にしてもらいたい」との理由から、活動日は土日、祝日のみ。学童野球にいまだ根強くはびこる「保護者が大変」という負のイメージを消し去るため、お茶当番や配車係、父母会などは一切ない。

「今の時代、当たり前やと思うんですよ。代表や監督、コーチにお茶を出すとかも全然いらないし、子どもたちに『自分でやれ』と言っているぐらいやから、大人も自分でちゃんとやらないといけません。送迎もバスやハイエースを所有していますし、審判は保護者さんがおられる時は頼むことはありますが、大きい大会になれば、お金を払ってプロを呼んでいます」

 チームのコンセプトは「野球は最高の『遊び』だ!」。目標は全国大会に出場することだが、遠征などを通じて「その場でしかできない経験や思い出を作ること」を大切に、試合前でも関係なく、プールで子どもとスタッフが一緒に遊ぶこともあるという。


大阪オールスターズJr.の集合写真【写真:チーム提供】

■話し合いの結果「全員が『勝ちたい』という意識になっていった」

 ただ、創設当初は「遊び」の解釈に揺れた。1期生の6年生12人の間で「勝ちたい」選手と「楽しみたい」選手に分裂。そこに保護者も介入して「えらいことになりました」と当時を振り返る。

「それについて子どもたちともたくさん話をしたので、大変でしたね。『遊び』がただ単に楽しい遊びなのか、本気でやるから楽しいんだ、という違いがあったと思います。みんなでしっかり話し合って、そこから全員がだんだん『勝ちたい』という高い意識になってきました」

 目標を明確にし、団結したチームは強い。創設から毎年のように全国大会へと出場し、昨年行われた「PRIDE JAPAN全国選抜・学童軟式野球大会2023福井大会」では準優勝に輝くなど、大阪のみならず、全国でもその名をとどろかせた。それでも森監督は、現状に満足することなく、さらに先を見据える。

 大阪オールスターズJr.は6月3日から5夜連続で行われる「少年野球フェスティバル」にも登場予定。森監督の「子どもファースト」を念頭に置いたチーム作りは、参考になるところが多い。(内田勝治 / Katsuharu Uchida)

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