「ログイン相続人」がネット時代にますます必要!?
ガジェット通信 / 2012年6月11日 12時30分
俳優の小林すすむが5月16日に亡くなった。近年では『踊る大捜査線』の係長役としておなじみだが、お笑いトリオ「ヒップアップ」の一人といった方が分かりやすいかもしれない。筆者も、『オレたちひょうきん族』での「♪青春青春かがやいて~」と歌うミュージカル仕立ての青春コントでギターを担当していた人、というイメージが強い。
それはともかく、小林すすむが亡くなってから3週間ほどが経過した6月5日、本人のブログが更新された。内容は、ファンやブログ読者へ向けられたシンプルな別れの言葉。
文面は生前と同じく本人によるものというスタイルだが、実際には小林すすむ夫人が「夫ならこう言うだろう」と想定して書かれたものとのこと。心霊現象じゃなくて良かったなどと不謹慎なことを思うが、それよりも自身の場であるブログにきちんと幕引きがなされたことにホッとする。
今や、誰もがインターネットを利用し、利用者の多くがブログや各種SNSアカウントを持っている現在、それらを残したまま本人が他界してしまうケースは少なくないだろう。ブログ等が残るのは、生前の氏を偲ぶという意味ではアリだ。だが、最後の更新内容が元気そうであればあるほど「この頃はこんなだったのに……」などとかえって切ない気持ちにさせられてしまう。小林すすむのブログのように、何らかのラストメッセージ的な内容がほしい。
そこで自分のブログ等を持っているみなさんは、いざというときのために、それらを締めくくる文言と更新方法を、誰かに託すことを考えてみてはいかがだろうか。いわばウェブ活動用の遺言書だ。「ログイン相続人」と言ってもいいかもしれない。可能な間は気が変わったらその都度内容を書き換えたって構わない。
というかもういっそのこと、本来の遺言書の中にこうしたことも記しておくのが、これからのスタンダードではなかろうか。
ただし注意すべきは、更新作業自体を誰に託すかをも明確にしておくことだ。遺産相続と同様に、誰に更新の権利があるか親族間で揉めに揉め、別れの言葉が何度も何度も掲載されてしまうのは避けていただきたいものである。
(田中 元)
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