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新たなデモ版ではインタラクティブ要素も追加。新作ADV『Tokyo Stories』試遊レポ&開発スタッフインタビュー【TGS2024】

Game*Spark / 2024年10月2日 19時30分

2024年9月26日から29日まで、千葉・幕張メッセにて開催された世界最大級のゲーム展示会「東京ゲームショウ2024」。出展社数、出展小間数ともに東京ゲームショウ史上最大規模となる会場内では、さまざまな企業のゲーム情報で大きな賑いを見せていました。


ドリコムブースでは、3Dアドベンチャーゲーム『Tokyo Stories』のプレイアブル展示が行われていました。本作は「ピクセルアートと3Dを融合させたビジュアル表現」が特徴。「誰もいなくなった東京」を舞台に、主人公の少女・スズがいつの間にか消えてしまった親友を探すために彷徨う物語が描かれます。


本稿では、新たなプレイアブルデモが登場した『Tokyo Stories』の試遊レポートおよび、開発チームへのインタビューをお届けしていきます!2023年に実施した「BitSummit Let’s Go!!」でのインタビューとあわせてお楽しみください。


美しい表現の東京を彷徨う


今回の試遊では、ゲームの序盤のシーンを実際にプレイすることが可能でした。冒頭部では主人公の少女・スズが「誰もいなくなった東京」に降り立ち、思い出の場所であるゲームセンターへと向かっていくまでを操作していきます。


本作の特徴的なグラフィック表現は、キャラクターの動きはもちろん、微細な背景や光の演出など、さまざまな点でプレイヤーの印象に残ります。路地や交差点などに入ればカメラが上空からの視点に切り替わったり、ナレーションが流れたりと、なんでもないような景色も少し特別なものに感じられるようです。


目的地のゲームセンターの前には、消えてしまった親友の少女・ユノの姿が。彼女との再会を喜んだのもつかの間、スズの目の前でユノは蝶になって消え、気がついたら周囲は「壊れた世界」に切り替わっていました。壊れた世界を修復し、再びユノに出会った場面で試遊は終了しました。


前回の「BitSummit Let’s Go!!」での試遊は街を散策することがメインでしたが、今回はプレイヤーが会話を選択したりオブジェクトに触れたりするような、インタラクティブな要素も加わっていました。静かで美しくどこか儚い雰囲気の景色と、Newly氏によるBGMの調和もぴったりです。


『Tokyo Stories』開発チームインタビュー


今回インタビューに答えてくれたのは、本作でプロデューサーを務める池田佑基氏(以下 池田氏)と、アートディレクターを務める寺島誠一氏(以下 寺島氏)です。


――今回のTGSで新たな要素を体験できるデモが登場しました。現在の『Tokyo Stories』の開発状況について教えてください。


池田氏 「BitSummit Let’s Go!!」に出展したときに比べて、今回はゲームの冒頭部分をしっかり体験できるようなデモ版を用意できました。ベース部分の開発としては、物語部分はかなり形作られてきています。「具体的に何パーセントくらい完成しているよ」とは、今の段階ではまだお話しできないですね。


――デモ版を遊ばせていただいて、元々美しかったグラフィックの表現や演出がパワーアップしている印象を受けました。


池田氏 グラフィック面に関しては、実は元の部分から大きくは変わっていません。とはいえ、今回のデモ版ではこれまでとは違うシーンなども描写しているので、そういった印象を受けたのかもしれません。


――冒頭の電車の中でスマホを見るシーンなどの動きはとても印象的でした。


池田氏 電車の中でいうと、ライトや窓の背景に映る手すりといった表現がありますね。『Tokyo Stories』では、情報量を増やさずに、どれだけグラフィックを表現するかという点を意識しています。


――公開しているDeveloper's Noteは楽しい雰囲気が満載ですね。こう言った部分もどのように作品に生かされているのでしょうか?


池田氏 Developer's Noteは、多くの人に東京の文化を見せるという目的もあって、風景や食べ物など色々なものを見せるようにしています。その中で色々なアーティストの方とコラボレーションできたりできています。SNSを通じて発信することで、海外の人からも反応があるのは嬉しいですね。



――2Dドットと3Dの融合を特徴としたグラフィックのゲームが近年増えてきています。『Tokyo Stories』では、どのような特徴を持たせていますか?


池田氏 『Tokyo Stories』の特徴である「ピクセルアートの3Dを融合する」というのは、現状ではとても良くできていると思います。ゲームというだけでなく、リアリスティックな視点でも描けているのではないかと思います。


――通路や階段などの雰囲気や、カメラ表現なども拡がっているような印象を受けます。


寺島氏 自分の作り方というのは、ひとつひとつオブジェクトを作っていくのではなく、まず色々とアセットのようなものを作り、それを組み合わせることで表現しています。元々『Tokyo Stories』で見せたいものや予定していたものがあるので、それをいかにして組み上げていくかを重要視していますね。ベースとしている世界観がしっかりとあるので、そこにどんどん追加して見せていこう、表現していこうという部分も考えています。


池田氏 探索できる部分の“遊び”は増やしていると思います。ただ、プレイ中に迷子になってしまうような広さにはしていませんね。


――今回のデモ版ではインタラクティブな要素が多く、ゲームとして遊べる部分が増えていますね。


池田氏 今回のデモ版では「どういうゲームなのか」「どういう遊びがあるのか」というのを、体験する人に見せられるようなにしています。体験があって、それをどう遊びにするのかという部分ですね。


――「いきなり選択肢がある!」と少し驚きました。選択肢の周囲に「伝えたいもの」が見えるのもユニークです。


池田氏 言葉の少ないゲームにしたかったのですが、例えば「嫌だ」という感情を伝えたいのに、ゲームのキャラクターが自分の意図していない話をしてしまうことがありますよね。『Tokyo Stories』では「伝えたいもの」をしっかりと見せることで、ユーザー側とキャラクターのズレが生じないように、しっかりと意思を持って選択できるようにすることを考えています。


――Newlyさんの楽曲は遊んでいて印象的です。音楽の要素も大事な作品と思いますが、作中でどのくらいの楽曲を収録しているのでしょうか?


池田氏 現時点で細かな曲数はまだ確定していないのですが、ミニアルバムくらいはあると思います。


――サウンドトラックやデジタルアートブックも出ると嬉しいですね。


寺島氏 自分はほぼ直で作り上げているので、イラスト的な意味でアートブックの形式で出すものが難しいんですよ。初期のアイデアなんかはほとんど細切れのものばかりになってしまいますね。


『Tokyo Stories』のアート部分は基本的に1人で作り上げているんです。なので、制作過程の途中経過なんかは見せていますが、開発チームに伝えるためのイラストとかもほとんどないんですね。


池田氏 いっそアートブック用に描いてもらうとか(笑)。


寺島氏 (笑)。


――今回のTGSで出展したデモ版はSteamなどで公開されたりするのでしょうか?


池田氏 今回出展したものを、そのままで出す予定はありません。実は『Tokyo Stories』のデモ版を東京で出展するのは初めてなんです(※2023年の「BitSummit Let’s Go!!」は京都にて開催)。なので、今回のデモ版はゲームの要素を感じられるものにしたいと考えて、TGS用にパッケージしました。遊んでもらった方には、感想を共有していただければ嬉しいですね。


――最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします!


池田氏 『Tokyo Stories』、大変お待たせしておりますが、現在もチーム一丸になって頑張っています。開発していて「いいものになりそうだな」という手応えがあるので、是非とも期待してください!


寺島氏 ゆっくりじっくり作っていますが、その分いい加減なものにはなっていません。作りたいもの、見せたいものは変わっていないので、長い目で見てくださると嬉しいです。


――ありがとうございました!




前回の美麗なグラフィックが堪能できたデモ版から、大きくインタラクティブなゲーム性が加わり『Tokyo Stories』はより物語的な魅力を増しているように感じられました。


スズとユノの物語はどうなっていくのか。そして、まだデモ版では登場していない「誰にも言えない秘密を隠しに、この町へやってきた青年」はどのように物語に関わっていくのか。今後もますます目が離せません!



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