[総体]【特別企画】“ユース教授”安藤隆人氏が語る全国総体優勝争い展望_其の一
ゲキサカ / 2014年7月30日 23時31分
そして、皆実はサッカーが洗練されています。プリンスリーグの作陽戦を見ましたが、奪ってからの展開が凄く速いし、よくトレーニングされているなという印象を受けました。斜めに入るパス、サイドチェンジが正確で、そして縦パスの強度が凄く強い。奪ってからポンポンポンとつなぐんじゃなくて、スパーン、スパーンと。皆実のスタイルは「堅守強攻」と言いますけど、本当にテンポが速い。加えて今年は守備がいいんですよ。藤原(大輔)というCBが中心になって、彼と北尾(涼)の2CBはいいですし、あとアンカーの油井(喬介)の存在も大きい。そして横路(翔太)、佐藤(笑也)という飛び出せる“槍”も持っています。初戦が鵬翔(宮崎)で次が市船というとんでもないゾーンに入ってしまいましたが、ここを突破したら全国優勝もいけると思います。なぜかというと総合力が高くて安定している。攻守のバランスが本当にいいからです。
この青森山田と広島皆実は守備が堅い上に、しっかり攻め込むこともできるという利点があります。この2チームに近い存在が山梨学院と星稜です。山学は何といっても2CB(渡辺剛、大野佑哉)が凄い。高さと強さを兼ね備えています。地元開催関係なく、今年の山学はレベルが高い。そして天皇杯やプリンス、インターハイ予選と過密日程の中でターンオーバーじゃないですけど、チームとして戦い、2チーム分鍛えられた。選手層は確実に上がったと思います。地元開催プラス、前評判が高かったことプラス、チームの底上げができているという、勝つための3つの要素がある。守備が良くてカウンターを持っているという点では皆実と似ているなという印象です。
星稜は全国準優勝を経験した昨年のメンバーが多い。特に守備面は鈴木(大誠)の存在が大きいです。そしてボランチに平田(健人)がいる。この縦ラインは強烈です。去年を経験したこの2枚看板がいるのはデカいと思いますね。時には平田と鈴木がCBを組んだり、高橋(佳大)と鈴木が組むこともある。SBの原田(亘)も宮谷(大進)も守備力はあるし、2年生の坂口(璃久)もいいGKだと思う。また、昨年のレギュラーがスタメンから外されているというところが層の厚さを感じさせます。左利きのボランチの杉原(啓太)が成長したり、2年の阿部(雅志)とか、選手層は物凄く厚くなったと思います。経験者がたくさんいることプラス、それですらベンチに入れないという厳しさがあります。その部分は河崎(護)先生も手ごたえを感じていると思います。
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