[総体]ユース取材ライター陣が推薦する「全国総体一押し選手」vol.4:東福岡MF増山朝陽(3年)
ゲキサカ / 2014年8月7日 9時42分
平成26年度全国高校総体「煌(きら)めく青春 南関東総体2014」サッカー競技
特集企画「ユース取材ライター陣が推薦する『全国総体一押し選手』」
第4回:文・安藤隆人
優勝候補の東福岡高。『赤い彗星』の右サイドはMF増山朝陽にとって『聖域』となりつつある。ボールを受けると、低い重心から繰り出される、爆発的な加速力とキレで、一気にバイタルエリアを切り込んでいく。
特筆すべきは人並み外れたフィジカルとボディーバランスだ。父親は日本人で、母親はスペイン人系フィリピン人。ハーフである彼は、その身体に確かな技術と、爆発的な運動神経を持ち合わせている。そして、ピッチに立った時の雰囲気もまた、彼のポテンシャルの高さを表す指標ともある。
少し話がそれるが、選手が持つ『雰囲気』は重要だ。「何かやってくれそうだな」、「もっと見てみたいな」と思わせてくれるのは、プレーとピッチ上での佇まいが大きく反映される。こういう雰囲気を持った選手が少ない中、彼はそれを持つ稀有な存在と言える。
増山は今年になってレギュラーを掴んだ、『遅咲きの花』だった。だが、決して能力が足りなかったわけではない。一昨年の岐阜国体では、彼のドリブルは特別の存在感を放ち、福岡県選抜の準優勝に貢献。5試合で18得点をたたき出すなど破壊力を見せた攻撃をけん引するなど、高い能力を持っていることは間違いなかった。しかし、選手層の分厚い東福岡において、昨年は数年に1度と言える3年生のタレントが揃った年。能力の高い彼と言えども、なかなかレギュラーに食い込むことが出来なった。
「自分の武器にばかり頼りすぎて、がむしゃらさが足りなかった。もっと球際を激しくいったり、何が何でも突破するといった気迫が足りないと感じた。だからこそ、今年はそれを前面に出していきたいと思っているし、今年のチームにおいて、攻撃のリズムを壊すのも自分だし、いいリズムを作るのも自分。その中で良いプレーをすることが大事だと思っている」。
ピッチ上での雰囲気は、まさしくこの意気込みの表れだった。常にタイミングを狙っていて、その隙を見逃すことなく、身体能力の高さを生かしたプレーを発揮する。野生のライオンのように、虎視眈々と、そして迫力と躍動感を解き放つ。高校3年生となった以上、単に「レギュラーを獲得しました」だけでは意味がない。『違い』を生み出す選手になるために。彼は強い決意の下にピッチに立っている。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
複数のJクラブが注目…日章学園のU-18日本代表MF南創太、加入内定先が決定「仙台の勝利に貢献できるように」
ゲキサカ / 2024年9月11日 16時29分
-
マグマのような「制御不能の才能」 “天才”柿谷曜一朗はなぜ大成に遠回りしてしまったのか【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年9月9日 7時50分
-
高井幸大から助言受け…「代表で一緒にやりたい」 名門・帝京へ転入、高1で下した覚悟の退団
FOOTBALL ZONE / 2024年9月9日 7時1分
-
総体得点ランク2位の帝京長岡FW安野匠、来季仙台加入が内定「愛されるような選手を目指す」
ゲキサカ / 2024年9月4日 14時46分
-
18歳でプロ内定も「実感が湧かなかった」 決してエリート街道ではない…サニブラウン弟の気概
FOOTBALL ZONE / 2024年8月28日 7時30分
ランキング
-
1大谷翔平が土壇場9回に53号ソロで「53―55」 2戦ぶりアーチ、4戦5発の量産体制…サヨナラ勝ち呼び込む
スポーツ報知 / 2024年9月23日 8時2分
-
2パドレスのダルビッシュ有が日本人初の通算2000奪三振「1番確実にアウト取れる方法。すごく大事」
スポーツ報知 / 2024年9月23日 8時25分
-
352-53大谷翔平、115年ぶり偉業が濃厚 日本は明治時代、2つの「2位」で近づく歴史的記録とは
THE ANSWER / 2024年9月22日 19時3分
-
4ヤングなでしこ 最後まで北朝鮮の堅守崩せず…0―1で敗れ2大会連続の準優勝 U―20女子W杯決勝
スポニチアネックス / 2024年9月23日 8時7分
-
5清原ジュニアの場合は? プロ志望書の裏に3パターン「確約」「二股」「イチかバチか」(小倉清一郎)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月23日 9時26分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください