[総体]鹿児島実との伝統校対決を4発勝利!“赤い彗星”東福岡が17年ぶりの4強進出!!
ゲキサカ / 2014年8月6日 21時21分
だが、増山が「九州新人大会で負けた相手。絶対に負けられなかった」と振り返る東福岡はその追撃ムードをあっさりと消し去る。30分、右サイドを深く切れ込んだ増山のクロスを木藤がダイレクトで合わせて3-1。鹿児島実にとっては痛すぎる1点となった。その後も攻撃の手を緩めない東福岡は注目MF増山を後半7分に交代させながらも、連動性のある攻撃から中村や赤木がシュート。前半からゴール前でPKと紙一重と言えるような厳しい守りで何とか追加点を阻止していた鹿児島実は再び追撃のチャンスを伺っていく。すると22分、MF井上黎生人(3年)が右サイドへ展開。ここからボールを動かし、右SB鮫島大(3年)がPAへスルーパスを入れると、走りこんだMF渡邊大地(2年)が右足でゴールを破り、再び1点差とした。
今大会開幕前までは逆転勝ちがなかったというものの、今大会で諦めない“鹿実魂”が明らかに身についてきている鹿児島実。この2点目はチームを加速させるのに十分なゴールだった。ただ東福岡は強さだけでなく、逞しさも発揮する。失点からわずか3分後の25分、左SB末永巧(3年)が深く切れ込みラストパス。中央で中村が潰れてこぼれたボールを交代出場のMF永田大樹(3年)が左足で決めてまたも突き放した。これでも心が折れない鹿児島実は、相手に決定機をつくられながらも懸命に1点を狙い、32分には前田のポストから渡邊が決定的な左足シュートを放ったが、ゴールの右外へ外れて追撃ならず。気温39度の灼熱の攻防戦は東福岡が制した。
中島に代わってゲームキャプテンを務めたCB小笠原佳祐(3年)が「(中島)賢星がいなくて負けるのは自分たちの中でも嫌だった。絶対に勝ってやろうと思っていた」と説明したが、東福岡はエース不在の中で逞しく白星を掴んだ。森重監督も「中島賢星というキャプテン不在になってでも、そういうゲームもこなしてきたし、賢星がいない中でのサッカーでも良さはあると思った。そういう中で前半の立ち上がりから結果を出せた、得点に繋げたというのは確かに逞しさを感じます」と目を細める。鹿児島実の意地の反撃をやや受けてしまったものの、それでも主力不在の中で手にした貴重な4強切符。優勝した97年以来、17年ぶりの4強入りを果たした“赤い彗星”が青森山田との準決勝も強く、逞しく勝利する
(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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