[アイアディアナスカップ]個の向上と新戦力の台頭、全国総体16強の初芝橋本が初代王者に!

ゲキサカ / 2014年8月15日 7時29分

[アイアディアナスカップ]個の向上と新戦力の台頭、全国総体16強の初芝橋本が初代王者に!

[8.14 アイアディアナスカップ決勝 初芝橋本高 1-0 鳴門高 宮崎県総合運動公園サッカー場]

 高校年代の強豪16チームが優勝を争った「アイアディアナスカップ~GREAT~ BATTLE OF 宮崎 2014」は14日、決勝を行い、初芝橋本高(和歌山)が1-0で鳴門高(徳島)に勝利。初代王者に輝いた。

 今年からアイアディアナス社製のユニフォームをまとう初芝橋本が頂点を「狙って」獲った。それも主将のMF渡辺淳揮(3年)とMF高橋響(2年)のダブルボランチや右SB梶川恭佑(3年)、MF山本遼人(2年)といった全国高校総体16強の先発組を欠くなかで果たした優勝だけに、チームにとっても自信となる優勝だ。大会MVPに選出されたCB西岡伸(3年)は「怪我人出ていない中で、サブ組が先発してやってくれたのは良かった」と喜び、「今回夏の目標というのは個をもっと鍛えるということ。組織的なことは大体できてきた。だからもっと個を強くして、フィジカルもそうですし、相手に負けないこと」と掲げていた阪中義博監督も、MF大谷尚輝(2年)とMF朝倉丈一郎(1年)の下級生ダブルボランチや全国総体で出場機会のなかったMF竹上将太(3年)らの奮闘に「嬉しいですね」と目を細めていた。

 4-4-2システムの初芝橋本はGKが“初橋のチェフ”こと立川小太郎(3年)。DFラインは右から今井亮佑(3年)、西岡、永見皓平(3年)、岡本涼(3年)、中盤は大谷と朝倉のダブルボランチで右が道前雄亮(2年)、左が川中健太(2年)、2トップには全国総体4得点の柳原慶斗(3年)と今大会完全復活を果たしたエースFW末吉塁(3年)が入った。

 一方の鳴門は国体選抜組のMF坂本優斗(2年)、坂本一真(1年)、FW中山竜介(1年)の3人が前日にチームを離脱。FW川添晃、MF中尾慶心(ともに2年)も不在だが、決勝で香留和雄監督は残っている全選手を起用しつつも、勝利を目指した。4-4-2システムのGKは安永龍平(3年)で4バックは右から今大会の成長光るSB川畠由佳(1年)、主将の濱西俊樹(3年)、中村諒治(3年)、島藤翔希(3年)。中盤は中央で佐藤大樹(2年)と絶対エースの中尾優生(3年)がコンビを組み、右が大星陸(2年)、左が真田左京(3年)、前線は南野心と佐藤誠彦の1年生2トップで臨んだ。

 前の試合で叩きつけていた雨が去ったものの、一気に気温が上昇し、非常に蒸し暑い中で開催された決勝。立ち上がりから初芝橋本が攻め込むが、硬さもあってか、ややミスも目立つ展開。注目の末吉が前を向いて仕掛けるシーンも少ない。一方の鳴門はスペースを逃さない目とキックの精度で存在感放つ中尾にボールが入ると、攻撃のギアが一段階上がる。彼を起点に攻め返すと、20分にはワンツーから大星がPAに切れ込むなどゴールへ迫った。

 初芝橋本は22分、中央突破のこぼれ球に反応した柳原の左足シュートがクロスバーを直撃。32分には抜け出した川中がGKをかわしたが、プレッシャーを受けながら放った左足シュートは枠右へ外れてしまう。ただ鳴門の濱西が「身長はデカい選手ばかり。パス回しも上手かった」と評した初芝橋本は、末吉の鋭い突破やサイドでの連動した崩しなどで鳴門に圧力をかけると後半6分にスコアを動かす。初芝橋本は道前が左足で右FKを入れると、ニアサイドでDF2人を引き付けた永見の後方から飛び込んだ柳原が先制ゴールを押し込んだ。

 鳴門は直後に中尾の展開から島藤が左クロスを放り込む。ゴール方向へ飛んだボールは立川が背走しながらタイミングよく跳躍しパンチ。敵将・香留監督からも「ナイスGK!」と声を上げたプレーが試合を締める。初芝橋本は8分にカウンターから末吉、柳原とつなぐが、今度は初芝橋本の決定的な右クロスを鳴門の右SB川畠が懸命のクリアでかき出すなど、両チームの好プレーも増えていった。

 初芝橋本は左SB岡本の突破力も光り、相手の反撃は強固さを誇る永見と西岡の両CBや今井がほぼ完ぺきに跳ね返していった。メンバーを大きく入れ替えたことでイージーミスも増えた鳴門は中尾や抜群のスピードを持つ真田が攻撃のポイントとなるが、相手を崩すには至らない。それでも抜群の運動量を誇る濱西と足をやや気にしながらも走り切った中村、安永中心に初芝橋本に追加点を与えなかった鳴門は終盤にビッグチャンス。左サイドでDFのマークを外した中尾がニアサイドへ強烈なシュートを飛ばしたが、これは立川の好セーブに阻まれて得点できなかった。

 1-0で試合終了。優勝候補に挙げられる中で勝ち切った初芝橋本だが、決勝を除く全試合で先に失点するなど内容は決して良いものではなかった。阪中監督は「入り方が悪い。総体はそんなことなくて良かったけれど、(今大会は)立ち上がりが悪くて、そこから攻め込まれて失点して、火がついてみたいな感じ。それがなければもっと楽やのにと思います」。ただ、前回総体に出場した3年前も総体直後は一度大きく落ちてそこから上がってきたというだけに大きな心配はなさそう。それよりも新戦力が台頭し、主力組も厳しい試合の中で成長したことは大きい。

 目標は選手権での4強以上。8強進出を掲げて臨んだ全国総体では千葉王者の習志野高を3-0で沈めたが、準優勝校の大津高戦では2点ビハインドを追いつきながらも競り負けた。初芝橋本に対する周囲の評価は上々だったが、柳原は「ベスト8の壁は高かった。越えられないものでもないなというのはあるけれど、まだ詰めが甘かった。あそこで逆転しきれなかった」と振り返る。それだけに「インハイで硬い感じもあった。次は楽しんで全国でアッと言われるようなチームにしていきたい」と誓った。「まず和歌山で勝たんと。飛び抜けていると言われるだろうけど、『何とかなるやろ』では勝てない。突き詰めないと勝てない。大津に負けた悔しさをどこまで持って行けるか」と阪中監督。夏の鍛錬の場となった「アイアディアナスカップ~GREAT~ BATTLE OF 宮崎 2014」優勝を選手権での目標達成に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
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