[MOM1116]清水桜が丘MF大石竜平(3年)_伝統の「8」と主将マークを2年時から託された注目MF「サイドを制す」

ゲキサカ / 2014年9月1日 8時10分

[MOM1116]清水桜が丘MF大石竜平(3年)_伝統の「8」と主将マークを2年時から託された注目MF「サイドを制す」

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.30 高円宮杯プリンスリーグ東海第10節 清水桜が丘高 2-1 中京大中京高 草薙球]

 SBS杯国際ユースサッカー大会で圧倒的な強さを見せつけていたU-19コロンビア代表をも苦しめた突破力はホンモノだ。清水桜が丘高の注目MF大石竜平主将(3年)がそのスピードと圧巻のゴールで強烈なインパクトを残した。

 序盤は守勢の中で、大石もいい形でボールを受けることができず、ミスこそないものの相手を苦しめるようなシーンはなかった。それでも12分、右サイドで上手く外側に逃げながらDFを振り切り、決定的なクロス。さらに13分には中盤でインターセプトすると、一瞬でギアを上げ、ゴールへ突進する。カウンターを浴びたとはいえ、中京大中京はDF2人が対応していた。それでも大石は快足を活かしてその間をぶち破る。GKの好守に阻まれて得点することはできなかったが、そのスピードで違いを示すと、退場者を出した上にリードされて迎えた後半には、そのスピードを活かして何度も縦に仕掛け、球際で激しくボールを奪う・守るという執念も発揮。そして25分にはMF明石純治が出したスペースへのパスを加速しながら頭でコントロール。そのまま相手の意表を突く右足ミドルをゴールへ叩き込んだ。

 相手選手も「スーパーゴール」と認め、スタンドもどよめいた会心の一撃。「上手くいかない時とか、(自分は)イライラしちゃうんで。しかも10人だったので、そういう意味では“やけくそ”じゃないですけど、狙うというよりは足を振って入ればいいなと思って蹴った。そうしたら入ったので良かったです。(本来は中に入った選手にクロスを合わせる)約束事があるんですけど打って良かった」と笑顔を見せた。この一撃で勇気を得た清水桜が丘は5分後に勝ち越し、逆転勝ち。10人での戦いを制して首位を守った。

 SBS杯で1歳年上の「世界」と対峙し、掴んだ自信がある。一回り大きな相手たちと個の勝負を挑み、サイドを2度3度と切り裂くだけではなく、さらにゴールライン際まで深くえぐって決定的なクロスを放った。「自分はスピードしかこのチームのために活きるものがないので。それを徹底している。それで出来ているんで手ごたえもあるし、自信も出ています。デカい相手にとって、ボクみたいな小さいのは面倒だと思うので、より肩ですって、背中で入ると言う意識。(前に入って)倒れちゃえばファウルにもなる。向こう(SBS杯)で出来たし、向こうのレベルの方が高い。向こうで出来たことはこっち(高校)でも出来るんで、ちょっとシャレ気づいたプレーをするんじゃなくて、出来たことをそのままここへ持ってきてやること。ボクはそれしかできない」。ジュビロ磐田で活躍した隆夫氏を父に持つサラブレッドだが、華麗にかわしたりすることなど全く頭の中はない。自分の武器はスピードと認識してその武器をチームのために最大限発揮することだけを考えている。

 元日本代表MF風間八宏氏(現川崎F監督)や元日本代表MF小野伸二(札幌)ら数々の名選手を輩出してきた清水商の伝統を受け継ぐ清水桜が丘。大石は伝統のエースナンバー「8」を2年時から背負い、加えてキャプテンマークも巻いて戦った。「本当はキャプテンマークなんか着けてはいけなかったヤツ。(2年生でキャプテンなんて)できないと思ったんで一回断ったんですけど、『チーム変えるために』と言われたので、(当時の)3年生を助けるためにやろうと。ぶら下がっていた訳ではないですけど、3年生がいたので、(自分がやるというよりも)助けてもらっていた部分があった。でも3年生になって自分がという思いが強くなりました」。伝統校のエースに指名されたMFは今年、より高まった責任感とともに、チームのために戦い続けている。

 名将・大瀧雅良監督は「あれは来ますよ」とその将来性を高く評価する一方、「心は赤ちゃん」と厳しい。本人も「サッカーは上手くいかなくて当たり前のスポーツ。その時にイライラするんじゃなくて、上手くいかないなら上手くいくように考えるとか、楽しくない時に楽しくさせるように努力するとか、そういうところが自分に足りなくて、自滅することが多い。1、2年生の時に比べれば成長できたかなと思うけれど、まだまだコントロールができない」と自覚している。最終学年の秋、“大人になって”よりチームのために戦い、期待に応えること。選手権に出場するために、努力を続けるだけだ。「最後絶対に行きたいですね。大瀧先生の期待も3年間あったので、選手権で恩返ししたい。サイドを制して、相手にとって脅威になること。チームにとって欠かせない存在になります」。全国高校選手権優勝3回の清水商時代と同じブルーのユニフォームが全国で舞うか。清水桜が丘として初の全国出場のために、逸材がピッチを走り抜ける。

(取材・文 吉田太郎)

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