[プレミアリーグWEST]前期と違う姿見せた京都橘、広島ユースとドロー
ゲキサカ / 2014年9月8日 7時19分
押され気味の広島も意地を見せ、32分には右CKを獲得。ファーサイドに流れたボールをFW長沼洋一(2年)がシュートしたが、京都橘の守備陣が身体を張って対応。セカンドボールを拾い、再びゴールを狙ったが惜しくもクロスバーを直撃した。39分、今度は再び京都橘の攻撃。右CKのこぼれ球をPA外で中野が拾い、DFをかわすとPA左にスルーパス。ハウザーがフリーでシュートも、枠を捉える事が出来ず、試合は残り5分を切った。
誰もがこのまま引き分けで終わると思った41分。京都橘が自陣PA左を突かれ、咄嗟に手が出た志知がハンドの判定を受けた。「絶対に負けると思って、めちゃくちゃ焦った」(志知)という絶体絶命のピンチだったが、GK矢田貝壮貴(1年)がきっちり読みを当てて、キックをストップ。以降はスコアが動かず、0-0で勝ち点1を分け合った。
現在、5位の広島にとっては上位に喰らい付くために勝ち星が欲しいところだったが、「負けずに無失点で終えたと前向きに評価したい」と望月監督は試合を評価。連覇に貢献したMF川辺駿ら主力の多くが卒業した今年はプレミアの経験が少ない選手が多く、開幕前は残留争いも視野に入っていた。その中で上位戦線に生き残る選手たちを「彼らは十分、良くやっていると思う」と指揮官は評価する。
一方、米澤監督が「勝ち点3に値する引き分け」と表現したように京都橘にとってはプラン通りに試合が進んだ会心の試合だった。前期は勝利どころか引き分けも奪えず、勝ち点ゼロで最下位。インターハイは出場こそしたものの、前橋育英高相手に何も出来ず、0-4で初戦敗退した。
だが、夏休み期間中にはここまでの戦いで明確となった運動量などの課題に取り組み、チームは成長。「毎年、秋は学校行事が多く、サッカーだけに集中するわけにはいかない。夏でどこまで仕上げる事が出来るかが選手権に向けての鍵だけど、選手たちが意識を高く持ってやってくれたのが大きい。これから皆の進路が決まれば、(サッカーに専念する時間が増えて)またチームが更に良くなると思う」と米澤監督が話したように、夏休みに成長したチームは後期初戦の東山戦で初の勝ち点1を獲得。続く東福岡戦では敗れはしたものの、広島相手に健闘するなど、前期とは違った姿を見せている。
「残留がかなり厳しい状況になってきて、3年生がチームを引っ張って残留させたいという気持ちが出てきた。プレミアの前期は『高体連に勝てれば良い』という考えがあったけど、それでは残留出来ない。Jの下部に勝たないとダメなので、一つでも多く勝って行きたい」と志知が口にしたように、選手たちの闘志にスイッチが入った。残り6試合、成長した姿を見せつつある京都橘が更なる意地を見せる事が出来るか注目だ。
(取材・文 森田将義)
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