[プレミアリーグEAST]白熱の連勝チーム対決!「後期全勝が目標」の青森山田が市立船橋撃破!
ゲキサカ / 2014年9月9日 18時27分
相手の一発の脅威を感じながらも地道にボールをつないで攻め続ける市立船橋は24分に1点を奪い返す。中盤で前を向いたMF椎橋慧也(2年)から磯野の足元にボールが入ると、後半力強さを取り戻していた背番号9が鋭いターンでDFを振り切り、そのまま右足で追撃ゴール。ここから試合終了にかけて、非常に熱い攻防戦となった。「焦れるな、やることをやれ!」と朝岡隆蔵監督から声が飛ぶ市立船橋は32分、右サイドからボールを動かして最後は左中間から鵜澤が左足シュート。40分には鵜澤の左クロスを磯野が頭で合わせた。そして43分には左クロスのこぼれ球を右SB打越大樹(3年)が右足で叩く。また永藤の圧倒的なスピードも併せて攻める市立船橋だが、青森山田は2-2で終わった前回の対戦でも永藤をマークした左SB北城俊幸(2年)が必死の守り。「あの14番(永藤)は相当速い。前回は最後の最後1本だけ上げられて、それで同点ゴール決められて。(北城は)その1本を相当悔やんでいたから縦を警戒しながら良くやっていた」と黒田監督は説明していたが、その北城や献身的な走りを見せ続けた山下ら青森山田は全員で1点を守り抜く。小笠原は「『オレらはやれる』とみんなに自信を持たせて、後半最後の終わり方とか、前半の終わり方とか、『市船はここ強いぞ』とか言って、終盤も『まだ市船は分からないぞ』と締めてやって、あとは自分たちが勝つんだという思いを持ってやりました」。その思いを最後まで途切れさせなかった青森山田が2-1で勝利した。
敗れたものの、市立船橋は十分に追いつく展開に持ち込んでいた。0-2になっても慌てず、後半の45分間やり続けたことが最後青森山田を追い詰めることに繋がった。朝岡監督も「方向性は間違っていない」という。だが、市立船橋にとっては負けていい試合はない。それも気迫や際の部分で負けたことは反省点だった。立ち上がりに相手を勢いづかせて、相手を有利な状況にしてしまい、敗戦。試合後、朝岡監督は技術面よりも精神面を指摘し、「山田に引けを取った。勝負である以上負けてはいけない。最後の際のところの強さを感じなかった。それが敗因だろう? 勝負していることに対して緩い」と問いかけていた。
一方、前期を1勝3分5敗の最下位で折り返していた青森山田にとっては大きな3連勝だ。小笠原は「前期負けていても内容的には全然できていて、最後のところでやられるというだけだった。自分たちのサッカーに自信をもっていた。最後のところで負けないでやることができれば、と。失点した後にチームで鼓舞し合うとかできれば負けないと思っていた。弱かったところを強くしてきた」と説明したが、全国高校総体での4強進出を挟んで確実にチームは逞しくなってきている。後半戦開幕前にチームが掲げた目標は全勝。簡単な目標を立てるのではなく、最も難しい目標を掲げ、それを実現するために一体となってチャンレンジしてきた。黒田監督も「この夏過ぎの合宿から1人1人がちょっとずつ強くなってきたし、1試合1試合最後のところで集中力が欠ける場面があったりだとか、ここで学習しなければと大分言い聞かせてやってきた。自分たちがダメのところを自分たちが知って改善してきている。(現在は)勝つための方程式を身体で覚えてきている」と語っていたが、上手くいかなくても心折れることなく、我慢し続けてきたことが結果に現れてきている。小笠原は「プレミアあっての選手権なので、そこは順番を間違えないで、プレミアでしっかり戦ってそれをやった分だけ選手権につながると思う。目の前のプレミアを戦ってそして、選手権日本一という目標に向かっていきたい」。次戦は首位・清水ユース戦。ホームで本物となった強さを見せつける。
[写真]試合開始50秒、青森山田はCB菊池が先制ヘッド
(取材・文 吉田太郎)
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