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ゲキサカ特別インタビュー『岡田武史ブラジルW杯観戦記』後編

ゲキサカ / 2014年9月19日 10時26分

 アフリカ勢もディフェンスにいいかげんな部分がなくなった。グループリーグで消えたガーナにしても、ドイツ相手に素晴らしいサッカーをした。今大会でドイツ相手に一番よく工夫して戦ったのはガーナだったと思う。数少ないドイツの弱点を見事に突いていた。

なぜアジアはダメだったのか?

 その流れに日本、そしてアジアも必死に食らいついていかないといけない。今回のW杯でアジア勢が手にした勝ち点は、4チーム合わせて3である。出場枠を現行の4.5から4に減らされても文句は言えない。

 韓国は今回、明らかにメンバーが落ちていた。アジアに共通するのはセンターバックとFWの弱さだろう。それでも人数をかけて守ることはできるのだが、攻撃に転じたときにゴールの可能性を感じさせることがあまりにも少ない。日本はその点、アジアの中ではまだ可能性がある方だった。オランダと打ち合いを演じたオーストラリアにしても、ティム・ケーヒルが素晴らしいシュートを決めたけれど、もう走れなくなっていた。世代交代が必要だろう。

 これで欧州に噂されるナショナルリーグなんかを始められたら、アジアは強豪と試合をする機会をさらに減らしてしまう。本当のピンチはこれから来るのかもしれない。

総括

 今回のW杯で新しい戦術の潮流や進歩とか、そういうものは感じなかった。カウンターサッカーのオランダやアルゼンチン、ブラジルが上位に食い込んだといっても、それがトレンドにはならないと思う。ポゼッションサッカーが現代サッカーのベースであり続けることは今後も変わらないだろう。オランダなんか、わざわざ5バックにしていたけれど、あれはルイス・ファン・ハール監督が「どうだ、見たか、俺の采配」みたい感じで、監督の能力の高さを誇示するためにわざわざやっているようにさえ感じた。あのメンバーなら、普通に4-4-2で戦っても十分に勝てたように思う。

 選手では、個人的にこれは将来有望だと思ったのがベルギーの19歳のセンターフォワードのディボック・オリジだ。ベスト16のアメリカ戦の出来が素晴らしく、それでマルク・ビルモッツ監督はアルゼンチンとの準々決勝でも使ったが、こちらでは何もできなかった。本当なら前半途中でベンチに下げてもいいくらいだったが、それでは選手としてつぶれてしまいかねない。監督はかなり辛抱したことだろう。若い選手の使い方の難しさをあらためて思い知らされたが、それでもオリジが大器であることは疑いようがない。

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