[MOM1144]日大藤沢MF田場ディエゴ(3年)_熱戦に決着つけた“日藤のマラドーナ”
ゲキサカ / 2014年10月14日 16時29分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.12 全国高校選手権神奈川県予選3回戦 桐光学園高 1-2 日大藤沢高 日大藤沢G]
決勝ゴールを決めたMF田場ディエゴ(3年)は試合後、桐光学園高の4連覇を阻止する決勝ゴールに興奮した日大藤沢高のチームメートたち担ぎ上げられた。そして仲間たちの頭上で祝福に応える背番号10。その姿はプレースタイル同様、まるで“王様”のようだった。日大藤沢は1-1の後半27分にエースを投入。圧倒的なキープ力を持つ“日藤のマラドーナ”だが、なかなかボールに触ることができなかった。ファーストタッチまで時間を要したが、それでも35分、田場は強豪対決に決着をつける決勝ゴールを決めた。
PA内右サイドにこぼれたボールに反応すると、飛び出してきたGKよりも一瞬早くボールをつつく。GKが弾いたこぼれ球を拾った田場はバックステップを踏んで体勢を立て直すと一気に加速。GKを振り切って左足シュートをゴール左隅へ突き刺した。「『試合を決めてこい』と監督に言われて、試合を決めてヒーローになれればいいと思ってプレーしました」というエースの劇的な決勝点。国体神奈川県選抜で10番も背負った逸材がピッチ上で結果を出した。
両親はペルー出身。日本人の曽祖父を持つ田場はサッカー好きな父の影響で、伝説のMFディエゴ・マラドーナ氏の名から「ディエゴ」と名付けられた。神奈川県藤沢市で生まれ育ってきた田場は意外にも「小学校の時は足下が全然なかった。裏街道とか、前に蹴って走る選手だった」という。それが中学時に所属したFC湘南ジュニアユースのドリブル中心のトレーニングによって徹底的に足技を磨かれ、県内外の強豪校から注目される存在に。そして地元の強豪・日大藤沢へ進学した田場は一度ボールを持ったら2、3人がかりでもなかなか失わないキープ力で注目度を増した。「苦しくなったらひとりで自主練ですね。ふつうにまたいだりして」と不振の時も技術を磨いて、より自信を持つ武器にしてきた。
ただここまでは苦しいシーズンだった。ボールを持てば間違いなく全国トップレベルのMFは1試合のうちどこかで輝きを放つものの、ゲームの中で消えてしまうことが少なくない。結果を残すことができず、「自分の課題は1試合通して走り切れない。ディフェンスもできないんですよ」というMFは夏休み明けから先発を外れていた。「スタメンで出たいという気持ちがあった」という田場だが、ベンチスタートから勝負どころで起用され、少ない時間で結果を出すことを求められた。その中で迎えたこの日。再びベンチスタートとなったが「(先発復帰する)そのためには仕事をして結果を出さないといけないというのがあった。きょうは相手桐光だし、ここで決めたら(インパクトは)2倍くらいになるだろうと」とスタメン奪還に燃えていたエースはインパクト十分の一撃でチームをベスト8へ導いた。
決勝点を決めたが、先発復帰はこれからの本人の頑張り次第だ。佐藤輝勝監督は「彼がスタートになるくらいの精神力と強さを持って、一発だけじゃなくてできるようになれば、このチームは優勝できると思う。(先発に)戻ってきてくれるかは本人次第だと思います」。この日は勝負どころで起用するために温存されていた部分もあった。諦めずに取り組み続ければ、準々決勝で念願である先発に舞い戻っている可能性は十分にある。自身の憧れについて「クリスティアーノ・ロナウド見てプレーしていたけれど、『似てないよ』と言われて。変えたりして今最近ハマっているのはロナウジーニョですね」という“マラドーナ”。「絶対に全国に行きます」という目標を実現し、そのテクニックで全国を沸かせる。
(取材・文 吉田太郎)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【高校野球神奈川大会】シード桐光学園が辛勝、横浜栄の右腕・本多に苦しめられ 県相模原はタイブレーク敗退
カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年7月10日 20時25分
-
[総体]神奈川準決勝、日大藤沢の両翼、MF宮澤主将、MF岩内は突破力が強み(6枚)
ゲキサカ / 2024年7月4日 19時30分
-
[総体]神奈川準決勝、日本高校選抜MF布施は日大藤沢を牽引も全国には届かず(5枚)
ゲキサカ / 2024年7月4日 19時22分
-
公立の伝統校・前橋商が無敗首位相手に健闘。支援も後押しに初のプリンス関東で成長を続ける
ゲキサカ / 2024年6月24日 13時39分
-
「まだまだ足りてない」。日大藤沢の日本高校選抜MF布施克真は神奈川県予選敗退の悔しさを忘れず、自分を成長させる
ゲキサカ / 2024年6月17日 20時58分
ランキング
-
1真美子夫人の気遣いが「日本人らしい」 大谷と夫婦揃って球宴、話題になったさりげない行動とは
THE ANSWER / 2024年7月17日 8時4分
-
2大谷翔平 球宴8打席目で初アーチ 主役の豪快な先制3ランにファン総立ち 日本選手初の柵越え弾
スポニチアネックス / 2024年7月17日 9時56分
-
3MLBオールスター〝ひどすぎる国歌斉唱〟が大炎上 女性歌手に非難殺到「耳から血が出ました」
東スポWEB / 2024年7月16日 19時22分
-
4大谷翔平の“球宴初アーチ”に今永昇太も口あんぐり 確信弾に同僚すら驚愕
Full-Count / 2024年7月17日 10時15分
-
5大谷翔平の球宴弾ゲット「息子にあげる」 記念すべき1球に父親大興奮「スーパーな気分」
Full-Count / 2024年7月17日 10時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)