[MOM1206]滝川二FW松山大成(3年)_全国得点王の父越えへ、エース躍動
ゲキサカ / 2014年11月10日 13時17分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.9 全国高校選手権兵庫県予選決勝 三田学園高 2-4 滝川二高 三木防災公園陸上]
OBである日本代表FW岡崎慎司(マインツ)に憧れ、ガムシャラさをモットーとするのが、滝川二高のエースFW松山大成(3年)。選手権予選で4戦連続得点と波の乗ってきた男はこの日、自らの得点よりも、「チームの勝利が何よりも大事」と持ち味を出しながらも、アシスト役に徹した。連続得点記録こそ止まったが、2得点に絡む活躍でチームを2年ぶりに全国の舞台へ導いた。
「苦しい試合になると思っていた」との読み通り、立ち上がりは雨の影響でスリッピーになったグラウンドと、DF中村圭一を中心に集中力を保つ三田学園の守備を崩すことができなかったが、「めちゃくちゃボールが収まる。あいつにボールを収めることがタキニの攻撃のスタート」とゲーム主将のMF千葉涼介が評したように、松山にボールが入り出すと、滝川二の攻撃に勢いが出始めた。
武器は169cmと小柄ながらも、がっちりとしている体格を活かしたボールキープ。相手に囲まれながらも泥臭くボールを守りながら前進し、サイドへパスを入れる。前半10分には右サイドからのスローインを胸トラップでおさめると、素早く中のFW八木脩斗に展開し、35分には右サイドに開いてボールを受けると、寄せたDFをかわして、ゴール前でフリーの八木へ浮き球を配球。ゴールこそ生まれなかったが、前半から見せ場を数多く作った。
そして後半15分にはPA右でボールを受けると、素早い切り返しで相手をかわしてゴール前にパス。このボールがFW高尾健太、MF持井響太と繋がり、チームの2点目となった。延長では前半11分に高尾のゴールをアシスト。結果こそ1アシストで終わったが、身体を張って前線の起点になる姿は、エースとしての存在感を示すには十分だったと言える。
相手をなぎ倒すような突破は滝川二が10年度の全国選手権を制した際の浜口孝太(現・青山学院大)、樋口寛規(現・湘南)の“ダブルブルドーザー”を彷彿とさせるが、本人が自信を見せるのは「ゴール前での貪欲さとシュート精度」。プレースタイルの原点は中学3年生の頃に遡る。京都紫光SCに所属していた当時はまったく試合に絡めず、試合に出場するためにどうすれば良いか悩んだ結果、「ボールをガムシャラに追いかけるしかない」という結論に至った。中学時代、控えだった選手が強豪校に進学するのは本人が口にするように「賭け」と言える行為だったかもしれない。それでも、「僕の夢は全国制覇する事だった」と滝川二の門を叩いた。
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