[The New Football]Vol.7:スパイク進化の歴史と未来…自分に最適な一足を
ゲキサカ / 2014年12月18日 14時6分
―もう一つのシリーズである『パティーク11プロ』は日本発進・世界基準モデルということですが。
「世界共通のシリーズとして今挙げた『プレデター』『f50』『ナイトロチャージ』の3タイプを展開する一方で、『コパ ムンディアル』のような定番のクラシックシリーズも続いていて、そのニューモデルが『アディピュア』でした。同時に日本では、海外の選手とは微妙に異なる足型など、日本人のためだけを考えた日本人のためのフィッティングモデルとして『パティーク』シリーズを2000年代前半に立ち上げていました。
とはいえ、選手も次々と海外に出て勝負してゆく時代になる中、日本の中だけにとどまっていては世界と対等に戦えないというのは、スパイクの世界においても同じではないかと。日本のエッセンスや魂を世界に広げる、世界と融合させることをテーマに、グローバルで展開していた『アディピュア』というフィッティングコンセプトのシューズと、日本のフィッティングモデル『パティーク』を融合させ、日本発進・世界基準のプロダクトという発想で2014年にリニューアルしたのが『パティーク11プロ』です」
―今後、スパイクはどんな進化を遂げていくと考えていますか?
「最近の傾向としておもしろいなと思っているのは、プロの選手であっても、一般の中高生であっても、より見た目を気にするようになってきたところですね。スパイクがいかに自分のモチベーションを高め、自分のマインドを満たしてくれるか。パッと見た瞬間に『これを履きたい』と思う気持ち。もちろん、履いたときのフィッティングが大事であることは言うまでもありませんが、『このスパイクを履きたい』というワクワク感が合わさると、より気持ちが高ぶり、生き生きとしたパフォーマンスにつながるのではないでしょうか。
昔は真っ黒あるいは真っ白なシューズが一般的で、スパイクとしての個性や、選手の心に訴えかける部分はあまり強くありませんでした。そのため、性能であったり、フィッティングだけが重視される傾向にあったのですが、今ではさまざまな色やデザインのスパイクがあふれています。お店に並んだ数あるスパイクの中から『これを履きたい』と思って選ぶ際のワクワク感は、過去と比べると、圧倒的に高まっています。それをいかに満たすことができるかが、未来におけるスパイクの一つの重要なポイントになるのかなと思っています。
もちろん、いくら格好良くても、いくら好きなデザインであっても、履いたときに性能が追いついていなければ意味がありません。“心”と“足”の両面を満たすことができるスパイク。デザイン的にも、性能的にも、すべてを満たすスパイク。デザインも機能と紐づいたものであるべきですし、機能の面でもよりワクワクさせるというか、『こんな機能だったら履いてみたい』と心に訴えるような要素が必要です。デザインと機能。その融合がカギになると考えています」
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