「W杯では理想を求めすぎた」と吐露した長友「今回はどれだけ犠牲になれるか」
ゲキサカ / 2015年1月11日 18時59分
4年前、チームとしても個人としても上り階段を駆け上がっていったのが、このアジア杯だった。無尽蔵の走力を武器にMVP級の大活躍。オーストラリアとの決勝では0-0で迎えた延長後半、敵陣深くで仕掛けて相手をかわし、素晴らしい左クロスでFW李忠成の決勝ゴールをアシストした。
あれから4年。DF長友佑都(インテル)は、ブラジルW杯で味わった失意を糧に、連覇の懸かったアジア杯に戻ってきた。パレスチナ戦を翌日に控えた公式練習。長友は胸中深くにある思いを口にした。
「一つ、僕が今強く思っているのは、どれだけチームのために犠牲になれるかということ」。そう切り出すと、ブラジルでの思いを反芻するかのように言葉を継いだ。
「W杯では、自分の中のエゴの部分であったり、自分の中の理想のサッカーを求めすぎたという思いがある。エゴの部分が、チームのために犠牲になるという部分を上回ってしまうと、良いプレーはできない。チームとして一つになるのも難しいかなと思う」
優勝を目指すと高らかに公言し、攻撃的なポゼッションサッカーという理想のスタイルを押し通したものの、グループリーグ敗退という最悪の結果に終わったブラジルW杯。最後のコロンビア戦後は無言で取材エリアを通過するしかないほど、長友は打ちひしがれていた。
その夜、自身のブログで「すべての批判を受け止めます。僕はチームの勝利に貢献することができませんでした」と書き綴り、試合翌日の取材対応では「この4年間、この大会に懸けてきて、こんな一瞬で終わるのかと……」と号泣した。
W杯後はまだ爛漫な笑顔を見せるまでに至っていないのが現状だろう。だからこそ、誓う。「今回はチームのためにどれだけ走れるか、犠牲になれるか。そういった部分を自分の中でも課題に置いている。一人ひとりがそれを持てるようになれば、今の日本の力だったら自然に頂点に行けるのではないかと思う」
「意気込みは言葉にしなくても分かってもらえると思う」と静かに言った長友。“世界の長友”を生み出した原点である「走る」ことから、自身2度目のアジア杯をスタートさせる。
(取材・文 矢内由美子)
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