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好守から自慢の攻撃力発揮!四日市中央工が選手権優勝の星稜に4発勝利!

ゲキサカ / 2015年2月8日 8時50分

 この後も森島司のタイミングのいい飛び出しや相手のプレスを剥がして前へボールを進める舘らが攻撃に厚みを加える四中工は、上田が立て続けに決定機を迎えるなど3点目のチャンスをつくり出す。対する星稜も28分、敵陣でインターセプトした大橋がFW大倉尚勲(2年)とのパス交換とゴール前での鮮やかな切り返しでビッグチャンス。直後の左CKを阿部が入れると、こぼれ球をCB東方智紀(2年)が押し込んで1点差とした。圧倒的に攻められながらも、少ないチャンスで確実に仕留める星稜。あっという間に勝敗の行方を分からなくしたところに、3年連続で選手権4強以上へ進出するなど結果を残しているチームの勝負強さが感じさせた。

 それでも四中工は後半立ち上がりに連続ゴールを奪う。3分にGKと1対1となった伊藤のループシュートで3点目を奪うと、5分には豪快な突破で左サイドを破った首藤の折り返しを小林が左足ダイレクトでゴールへ沈める。その後も小林の右足ミドルや上田のドリブルシュートなどで相手ゴールを襲う四中工に対し、星稜も大橋のスルーパスからFW新保大規(2年)がGKと1対1となるなど決定機をつくり、28分には流れるような攻撃から最後は阿部の絶妙なスルーパスで左中間を抜け出した大橋が右足シュートを決めた。一時3点差をつけられた星稜は後半、チーム全体が危機感を高めてプレー。チーム内でよく声が出て、より高いレベルのプレーを求めあいながら試合を進めると、終盤は主導権を握る時間帯もつくった。38分には飛び込んでくるDFをいなす阿部のドリブル、スルーパスからMF片山浩(1年)が決定的なシュート。だがGK森島佑太(2年)が阻止した四中工は追撃を許さず、白星を収めた。

 四中工は現在、グラウンドが人工芝への改修工事中。近隣のグラウンドを借りてトレーニングを行っているが、そこで連日40~50分間行っているゴール付きの5対5が切り替えの部分で大きな効果を発揮しているという。「感覚的には野洲とやった時のあのレベルの切り替え、囲い込みができるという実感がある」と現在のチームを、高い評価を受けた05年度時のチームと比較する樋口監督は「この子らに言っているのは『自分たちの良さを出すために攻撃的に守備しよう』。今年、絶対的にストロングポイントは攻撃やと思うんです。でも、全国のトップレベルとやるときにマイボールにできなければ出せない。そこのところをしっかりと受け入れてやってくれていると思いますね。去年、守備できなくて負けたというのがあるので、余計守備に対する厳しさというのを持ってくれているかなと思います」。選手権は一昨年度に全国4強も昨年は県予選決勝で敗退。守備の甘さが全国から遠ざけただけに守備に関しては選手たちも徹底していく意識がある。

 森島司は「チームのテーマは守備。自分の対峙している相手に絶対に負けないとか、意識していることができれば強いチーム相手にもああいういいサッカーができるのかなと思います。去年は攻撃は上手かったですけど守備は失点が多かったり。今年は守備のベースをしっかりして、自分たちの特長である攻撃を出せればこういう試合ができる。この守備をベースとして続けられれば、絶対に全国もいいところ、優勝まで行けると思います」と口にした。小林が「下のカテゴリーの子も必死にやるというか、言われたことをくじけずに必死にやるというのがある。ひたむきにやってくれるところがいいところだと思う」と分析する今年の四中工。「継続性がウチの課題。継続していけるように」という樋口監督の下、名門は意識の高まっている守備と抜群の攻撃力をより発揮できるように日々磨いていく。

(取材・文 吉田太郎)

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