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[総体]1年生FW白井が大仕事!名門・清水商の伝統受け継ぐ清水桜が丘が開校3年目で初優勝!:静岡

ゲキサカ / 2015年6月8日 6時41分

 立ち上がりは浜松開誠館が積極的なシュートを連発。中川や大場の鋭い一撃がゴールを脅かす。18分には右中間から斜めにドリブルした大場のスルーパスに連動して斜めに走り込んだ中川が反応。こぼれ球を鈴木が右足で狙った。一方の清水桜が丘も杉本、山田を起点とした攻撃で獲得したセットプレーから大森や山田がゴールを狙うが、相手を崩し切るようなシーンは見られなかった。それでも後半、清水桜が丘は「元々片瀬(晴城)先生に『中盤のボランチの背中を見て受けろ』と言われていた。前半は蹴ることが多くてそういう場面がなかったけれど、ハーフタイムにまたそれをしっかりと言われて、それでボールが来る場面が増えたので受けられるようになった」という1年生FW白井がボールを受ける回数を増やすと、わずかにDFを外してから出す角度あるパスや相手の急所を突くドリブルなど、この試合随一のスキルを見せる白井が存在感を放ち、清水桜が丘が流れを引き寄せていく。

 21分、25分と白井のドリブル、パスからシュート、クロスのシーンが生まれると27分に待望の先制点。右サイドでセカンドボールを拾った山田が「思い切ってシュートを打つつもりで。1対1仕掛けて上手く抜けたので」と切り返しでDFを外してから強引に左足シュートを放つ。これはDFに当たったが、ニアサイドのゴールエリア方向にこぼれたボールに反応した白井が右足ダイレクトで合わせて均衡を破った。殊勲の1年生を清水桜が丘イレブンが手荒い祝福。速攻で反撃する浜松開誠館も32分に中川、38分にも交代出場のFW水津蓮(3年)がスルーパスからチャンスを迎えるが、追いつくことができない。杉本が「(浜松開誠館は)球際の部分とかやってくるので頑張り負けないように」という清水桜が丘は相手の反撃を体を張って阻止。PAにボールがこぼれるようなシーンもあったが、交代出場のMF大屋寛太(1年)の好クリアなどで難を逃れていく。逆に清水桜が丘はアディショナルタイム突入後の44分、交代出場のMF長田健吾(3年)の右CKのクリアボールを杉本が右足ダイレクトで打ち抜くと、渾身の一撃はクリアしようとしたDFの頭を弾いてそのままゴールへ吸い込まれた。

 2-0で優勝した清水桜が丘だが、今年は決してタレントのいる世代ではない。技術レベルが特別高いチームでもない。それでも「すべての力をチームのために」というスローガンの下、一致団結して静岡の頂点に立った。山田は「とにかく自分たちのできることをやろう。とにかく自分たちが全力でやることを考えています。自分たちがしっかり一つひとつできればいい」。その姿勢を貫き、歴史を変えた。次は全国。清水商時代の栄光を振り返らずに、チームは前を向いて戦う。杉本は「すべての力をチームのために。チームのためにやることを意識している。まずは(球際で)頑張ることからしっかりやって、1試合1試合勝ちたいです」。名将・大瀧監督が「一人ひとりが大人になってきたから、少しずつサッカーそのものをやれるようになってきた。競争のようにドーンと行くのではなくて、しっかりものを見て判断できるようになってきたから、ちょっと面白いですね」と目を細めるように、頑張り以外の部分での成長も見えるチームが初の全国でも「清水桜が丘らしく」戦い抜く。

(取材・文 吉田太郎)▼関連リンク
【特設ページ】高校総体2015

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