1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

[クラブユース選手権(U-18)]創設4年目、当初はメンバー不足でゲームできず、転校も考えた・・・長崎U-18が劇的な全国大会初勝利!!

ゲキサカ / 2015年7月24日 11時57分

[7.23 日本クラブユース選手権(U-18)大会GS第2節 徳島ユース 0-1 長崎U-18 宮城総合]

 時計の針は80分を既に2分回っている。アディショナルタイムの掲示は3分。もう時間がほとんどないことは誰もがわかっていた。左サイドにボールが出る。「アディショナルタイムに入ってチャンスも少ないと思ったので、自分が決めるしかないと思って」左足を振り抜いた野中魁のシュートは、信じられない軌道を描いてゴール左隅へ突き刺さる。「あれが彼の特徴なんです。シュートはいっぱい打つんですけど、簡単なシュートほど外すんですよ。それでああいう難しいシュートがたまに入ったりするのでね」と苦笑した原田武男監督もベンチで喜びを隠せない。全国初勝利を引き寄せる劇的な決勝弾。「決まった時は本当に泣きそうになりました」というキャプテンの池田久哉は、歓喜の輪に加わりながら様々なことを思い出していた。

 今回の第39回日本クラブユース選手権(U-18)大会で初めて全国の舞台に立つことになったV・ファーレン長崎U-18。12年に創設されてまだ4年目という新興チームは、13年度から本格的に活動を開始したが、U-15の一期生に当たる池田たちがU-18へ昇格したその年のメンバーはわずかに9人。初めて挑んだクラブユース選手権の九州予選ではロアッソ熊本ユースに1-14という大敗を喫している。「最初は9人しかいなかったので大会にも出られなくて、ジュニアユースから人を借りたりしていたので、ハッキリ言って惨めというか、『他の学校に転校しようかな』と思うくらい正直しんどかったですね。練習ではゲームもできないですし、試合感覚もなくなってきて、1回本当に辞めようと思ってコーチに電話したんです」と当時を振り返る池田。その年のJユースカップでは予選リーグで結果的に日本一となるヴィッセル神戸U-18と対戦し、やはり0-14で大敗した。

 しかし、「本当にコテンパンにやられた中でも、そこでやられたことで学ぶことは非常に多かったですし、『あのくらいの力がないと日本一にはなれない』ということを僕らが言うより彼らは体験してきているので、そういった意味では僕らも指導はしやすかったです」と原田監督。日本一への“モノサシ”ができた彼らは、敗戦を重ねながらもそれを基準にして、日々練習に明け暮れる。そして今年の5月。今大会に繋がる九州予選に臨んだ長崎は、わずか2年前に14点を叩き込まれた熊本を1-0で下すと、大分トリニータU-18には惜敗したものの、サガン鳥栖U-18を3-0で倒して、悲願の全国切符を手に入れる。「立ち上げて早々だったのでメンバーが少ない中、彼らが1年生の時から3年間やり続けた結果です」とチームを創設時から率いてきた指揮官も認める彼らの努力は、この2年でチームを取り巻く環境を劇的に変えていた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください