[MOM1532]桐光学園FW小川航基(3年)_延長後半の決勝弾でエースの真価を証明
ゲキサカ / 2015年10月26日 20時2分
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.24 全国高校選手権神奈川県予選準々決勝 桐光学園高 1-0(延長)桐蔭学園高 日大藤沢高G]
まさに、千両役者だ。1点を争い、延長戦にもつれ込んだ大激戦に終止符を打ったのは、やはり桐光学園高のエースだった。延長後半4分、1年生MF田中雄大が左サイドから中央へドリブルを開始すると、FW小川航基は状況を確認しながらタイミングを計った。田中の顔が上がった瞬間、右前方へ走り出してマークを振り切ると、その動きを予測して出された浮き球のパスをヘディングでゴールへとたたき込んだ。
得点以外にも攻撃面での貢献は大きかったが「すごく、得意としている形。(田中の)顔が上がった瞬間に相手から離れた。出し手にとっても出しやすいタイミングだったはず。出し手と受け手の精度が高ければ決められる場面だと感じた。動き出しで決まったと思う。『最後に決めるのは小川』というのは、やらなくてはいけないこと。キャプテンマークを巻いているし、チームを勝たせるために何ができるのか、すごく考えている。結果として出て良かった」という一撃こそが、エースのエースたる由縁だった。
前半から相手のマークが最も厳しい最前線でパスを受け続け、攻撃の起点となってチームをけん引し続けた。しかし、チームは初戦特有の動きの硬さもあり、桐蔭学園を相手に攻めながらも得点ができず、一時は試合のペースを奪われるなど苦戦を強いられた。小川は「硬さがあったかどうかは分からない。でも、自分たちの力は、まだまだ出せていない。自分のところに相手が寄って来てくれれば、チャンスができるのは分かっていた。だから、自分が持ったときに味方がどう動くのか、どのタイミングで出すかは、今後もう少し磨きたい」とコンビネーションの改善に意識を向けた。
プロ入り濃厚の小川は、前を向けば加速力もシュートもある選手だが、さすがに相手は容易に前を向かせない。その中でもポストプレーを見せ、フォローに走って来る両サイドMFを使って突破口を切り開こうとする姿が目立った。しかし、U-18日本代表でもエース格である小川の役割は、チャンスメークで留まるわけにはいかない。やはり、ゴールを奪って勝ってこそ、その役割は果たされる。小川は、チームでもゴールを量産するために「代表では良いボールがどんどん出て来るので、それが得点という結果で表れている。チームに戻って来て、同じような動きができるように味方に具体的な要求をするようになった」とコミュニケーションの中で高い意識の浸透を促しているという。
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