流経柏高から浪人生活を経て掴んだ王座、早稲田大・最年長DF八角の戦い
ゲキサカ / 2015年11月15日 21時36分
[11.15 関東大学リーグ第22節 法政大1-2早稲田大 西が丘]
どんなときもポーカーフェイスで淡々と仕事を全うしてきた。早稲田大DF八角大智(4年=流通経済大柏高)は優勝の瞬間も大きく喜ぶことはしなかった。試合後のスタンド前では笑顔をみせたものの、その後は優勝という成績を静かに噛み締め、誰よりも早く先を見据えた。
現在、大学4年生の八角だが、流通経済大柏高を卒業後に一浪したため、実際は一学年上。早稲田大のなかで、ただ一人の“最上級生”にあたる。高校3年生時は「サッカーにそこまで賭けられなかった自分がいた」ことから、「サッカーだけに特化した大学にはいけないな」と決断し、浪人生活をスタートさせた。
塾へ通い、サッカーから離れる日々が続いていたが、気がつくとランニングを始め、公園でボールを蹴っていたという。「自分はサッカーが好きなんだ」。自身と向き合うなかで、大学でもサッカーを続けることを決めると、小論文などのAO入試で早稲田大に合格。同級生から遅れること一年、早稲田大ア式蹴球部の一員となった。
早稲田大の同期には、流通経済大柏高の一年後輩であるFW宮本拓弥(4年=流通経済大柏高)もいる。それゆえ、入学当初は「一個下にタメ口を聞かれているんだ……」と思うこともあった。だがそんな思いもすぐに消え、純粋に同期として受け入れると切磋琢磨する毎日が始まった。
大学2年生時には「自分でも驚きました」と早くも主力の一人に定着。順調にキャリアを重ねていった。大学2、3年生時は「純粋にサッカーを楽しんでやっていた」。しかし、4年生になると状況は一変する。
伝統ある早稲田大の最上級生。その重みはプレッシャーとなり、八角にのしかかった。シーズン初め、4月の練習から吐き気に見舞われたのだ。怪我明けでベンチに座る日々、「チームが結果を残せていない中、貢献できない自分への悔しさや憤り。最下位に落ちたチームを何とかしないとと思っても、力になりきれず、思い詰めたところが吐き気につながったのかもしれない」と振り返る。
「1年から3年で見ていた景色と4年生になっての景色は全く違っていて。4年生になってからは、人生で一番苦しい時期でした」
しかし、その苦しみは誰にも見せなかった。“異変”に気がつかなかったという主将のDF金沢拓真(4年=横浜FMユース)は「弱みを見せないタイプだから」と八角について語る。チームの全員が年下ということもあり、“最年長DF”は人知れず多大な責任感を負ってプレーを続けた。
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