[選手権]中盤、SBにもゲームメーカー並ぶ陣容、「ボールを大切に」戦い、勝負強さ身につけた國學院久我山が初の決勝進出
ゲキサカ / 2016年1月10日 9時30分
[1.9 全国高校選手権準決勝 青森山田高 1-2 國學院久我山高 埼玉]
現在東京都1部リーグに所属している國學院久我山高(東京)が高校年代最高峰のリーグ戦、プレミアリーグEASTで2位の青森山田高に逆転勝ち。初の決勝進出を果たした。堅守・青森山田に対して166cmのMF名倉巧が「自分たちは蹴っても身長も高くないので、蹴ったら相手に流れを持っていかれると思う。自分たちがやってきたボールを大切に、パスで繋ぐサッカーを怖れないでやるべきだと。みんな同じ考えなので、それがこのピッチでできたことは良かった。自分たちがやってきたことはこれしかない。このサッカーを信じてやれたと思う」と胸を張ったように、実績ある名門校に対して全国準優勝という舞台で臆することなく自分たちのサッカーを貫いた結果が、後半アディショナルタイムの決勝点、劇的勝利に繋がった。
左サイドを突破して同点ゴールをアシストした名倉は技術、判断力を駆使して後半にも相手CBを鮮やかな突破で抜き去り、スルーパスで決定機を演出。彼やFW内桶峻、FW澁谷雅也がドリブルで穴を開けるシーンも目立った。一昨年のチームからDFラインが残った昨年は守備の堅さが際立つチームだったが、MF鈴木遥太郎が「今年は昨年ほど守備は良くないけれど攻撃できている。(目指してきたのは)点を取られてもそれ以上に点取れる攻撃力」というように今年は点を取ることのできるチームに仕上がっている。当初は個人プレーに偏る選手もいて、チームメートがどう動きたいのか共有できていなかったという。だがシーズンを深めるにつれて理解し合えるようになり、名倉が「みんな凄い技術高くて(過去に)司令塔とか中盤でゲーム組み立てていた選手」が並ぶ陣容がボールを大切に、パスを繋ぐサッカーを高いレベルで実現させている。
中盤中央に位置する名倉と鈴木、MF知久航介の3人に加えて、名倉が「今年はSBの選手が宮原くんと研くんというボランチ的な選手で技術がチームでも一番くらいの選手なので、SBに入っても落ち着いてサッカーできている。SBがひとつの起点になれている」と評する右SB宮原直央主将と左SB山本研もゲームメーク能力に長けた選手で、そしてFWの澁谷も以前トップ下を務めていた選手だ。司令塔、ゲームメーカーたちが中盤、最終ラインにも並ぶ。清水恭孝監督は以前、「真ん中潰されればサイドがゲームをつくる。ウチのSBはそれができないと。頑張るだけじゃダメ」と語っていたが、SBに司令塔役の選手が配置されたことによって配球役が増えて、例年以上に多彩な形から得点を取るチームになることができている。
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