[SEVENDAYS FOOTBALLDAY]“伝える”ということ(都立駒場高・山下正人監督)
ゲキサカ / 2016年4月14日 20時1分
東京のユースサッカーの魅力、注目ポイントを紹介するコラム、「SEVENDAYS FOOTBALLDAY」
「オマエ、ちゃんとコイツに伝えたのか?」「ハイ…」「おい、ちゃんと伝わってたか?」「イエ…」「伝わってないじゃないか。伝わってなかったら、それは“伝えた”じゃなくて“言った”だけだ。独り言と同じなんだよ」。確かこんなニュアンスだったと思う。試合後の青空ミーティング。それも負けた試合ではなく、勝った試合の。言葉の主は山下正人監督。その周りを囲んでいたのは都立駒場高の選手たちである。
都立勢の中でも屈指の強豪として知られる都立駒場。そのチームを率いている山下監督は、第86回高校選手権で初出場の都立三鷹高を全国ベスト8まで躍進させた経験を持つ。さらに2009年からは自らの母校でもある都立駒場へ赴任すると、翌年にはインターハイ、選手権共に全国大会へ導くなど、都内でも有数の指導者として知られているが、とにかく個性的で魅力的な監督だ。
トレードマークは蓄えた口ひげ。試合直前までOBとの“おしゃべり”に興じていることもある。ただ、試合になれば話は別。ベンチから的確な指示を送り続け、的確な采配を振るい続ける。そして、試合が終われば喫煙所に直行することも。タバコを燻らせている内に、またキックオフ前まで見せていた柔和な笑顔に戻っている。当然そんな山下監督を慕う卒業生も少なくない。試合の前後にはいつも誰かに囲まれている印象もある。
冒頭のシーンは関東大会予選初戦の試合後。新チームになって初めての公式戦は、都立豊島高相手に先制を許す苦しい展開。終了間際の後半37分に2年生ストライカーの奥谷友哉が豪快なヘディングを叩き込んで同点に追い付くと、その2分後には自らの突破で獲得したPKを奥谷が沈め、劇的な逆転勝利を収めたものの、特に前半の出来に指揮官は納得が行っていなかった。
「前半の最初は『大きく蹴ってわかりやすくやりなさい』って言って、何本かチャンスになってるじゃない。あの時に中も見ずに、勝負もせずにクロスばっかり上げてみんな跳ね返されてたでしょ。あそこで一工夫ないとダメだよね」。ベンチから近くの選手に「『フォワードに仕掛けろ』と伝えろ」と指示を出す山下監督の姿があったが、なかなかそのメッセージが正確に伝わらない。業を煮やしたかのように前半の内に2トップの一角を交替させたが、チャンスを創り切れずにスコアレスでハーフタイムを迎えてしまう。
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