1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. サッカー

憲剛の最新本を立ち読み!「史上最高の中村憲剛」(16/20)

ゲキサカ / 2016年4月30日 12時43分

憲剛の最新本を立ち読み!「史上最高の中村憲剛」(16/20)

 川崎フロンターレのMF中村憲剛の南アフリカW杯から現在までの5年半を描いた『残心』(飯尾篤史著、講談社刊)が4月16日に発売となった。発刊を記念しゲキサカ読者だけに書籍の一部を公開! 発売日から20日間、毎朝7時30分に掲載していく。

「なんで、ニッポンにいないの?」<下>

 かつて中村は、日本代表におけるトップ下の役割について、こんな風に言っていた。

「ザックさんからはビルドアップに絡むのはもちろん、得点に絡むことも求められている。“シュート”ってよく言われますからね。シュート練習のときも“組み立てには絡まなくていいから、ゴール前に行け”って。それ以外、俺も圭佑もほとんど何も言われないから、“自由にやっていいから、ゴールを決めてくれ”っていうことなんじゃないかな」

 その点で言えば、これまでの中村は、得点力に物足りないところがあった。

 ザックジャパンで奪ったゴールは、2011年10月、ホームのタジキスタン戦で決めた1ゴールだけ。ゴールを狙うより、少し下がり気味にポジションを取り、攻撃の組み立てに参加することが多かった。

 だが、トップ下でのプレーに本当の自信をつけ、得点力を高めた今の中村は、アルベルト・ザッケローニの求めるトップ下像にかなり近づいているように思われた。

 コンフェデレーションズカップを振り返れば、出番がなくとも集中を切らさず、途中出場でも計算の立つ中村の存在価値は、改めてわかったはずだ。

 まして若手を試した東アジアカップで新たなトップ下を発掘できたわけでもない。

 スルーパスも得意とする中村は、8月以降に1トップとして起用され、裏への飛び出しに長ける柿谷曜一朗との相性も良いはずなのだ……。

 しかし、8月のウルグアイ戦に続き、9月のグアテマラ戦とガーナ戦、10月のセルビア戦とベラルーシ戦、11月のベルギー戦とオランダ戦でも、中村はメンバーに選ばれなかった。

「誰か若いのが見つかれば儲けもん。見つからなかったら、最後に呼び戻そうって感じなんじゃないですか。それに呼ばれても試合に出られないなら、フロンターレで練習していたほうが成長できる。こっちで着々と成長して本番に備えます。最近、試合が楽しみでしょうがないんですよ。これまでは、負けたら嫌だなとか思っていた。そういうのがなくなってきた」

 やせ我慢か、それとも本心か。

 おそらくその半々なのだろう。

 やはり寂しさはあるに違いないが、日本代表での活動は、心身ともに負担が少なくない。日の丸を背負ってプレーするプレッシャーは計り知れず、ポジション争いもある。海外でのゲームともなれば、移動時間も長く、現地の気候に体を慣らす必要があり、それでいて、いつ来るかわからない出番に備えて緊張状態を保ちながら、出番が回って来ないこともある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください