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愛媛を契約満了…慶大へ戻ったMF近藤貫太、人間教育の場で“1年生”からの再スタート

ゲキサカ / 2016年5月16日 22時28分

愛媛を契約満了…慶大へ戻ったMF近藤貫太、人間教育の場で“1年生”からの再スタート

 約10か月前にはJリーガーとして、ピッチへ立っていたその選手は、大学リーグのピッチではなくスタンドにいた。身につけた慶應義塾大のユニフォーム、背番号は80番。応援団の端に身を置き、黄色いメガホンを片手に声を張っていた。

 昨年12月に愛媛FCを契約満了になったMF近藤貫太(3年=愛媛)は今春に慶應義塾大へ復学。かつて慶應義塾大ソッカー部で11番をつけてプレーしていたMFが約3年ぶりに戻ってきた。現在はCチームへ身を置き、部内では“1年生”として仕事をこなすなどしているという。

 2012年に愛媛ユースから慶大へ進学した近藤。MF端山豪(現・新潟)の同級生であり、一学年上にはMF武藤嘉紀(現・マインツ)がいた。2013年には2年生ながら背番号11を背負っていたが、夏の総理大臣杯を最後に海外挑戦を決断。大学側が慰留するなかで意志は固く、大学サッカー界から姿を消した。しかし海外への交渉はまとまらずに2014年1月に“古巣”である愛媛FCへの入団が決定。大学を休学して、一転してJリーグ入りした。

 しかし1年目は13試合1得点に終わり、2年目の昨季は11試合1得点。昨年7月22日の金沢戦(1-1)で途中出場したのを最後に愛媛で出番はなかった。そして12月に契約が満了。退団が決まった。

 12月中旬、近藤は慶大の須田芳正監督へ契約満了になったと報告の電話をしたという。連絡を受けた指揮官は「一度会おう」と提案。直接会って話す中、近藤は「自分は出て行った立場だったので、簡単にここでプレーできるとは思っていないです。でもこのチームのために何かできることがあるのであれば、サッカーに限らずにやらせて欲しい」と思いを打ち明けたという。

 須田監督は「迷うことなくいいよと言いました」と当時を振り返り、「入れてくださいというのは勇気が必要だったと思う」と22歳の決断を思いやると、「それを許してあげられる社会じゃないといけないし、ここは人間教育の場だから」と胸中を明かした。

「ただサッカーをしようと戻ってくるのならやめたほうがいいとは言いました。もし戻るのならば、チームのために君が何をやるか、やるべきかは指導して話していくよと。そういうなかでもう一度やるのであれば戻ってきたらと言いました」

 その後に須田監督が慶大の総監督やスタッフ、4年生へ話を通し、近藤の復帰が決まった。近藤は「出て行った身ですが、ありがたいことに受け入れてもらいました」と感謝を口にする。

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